日本人とバラの深~い関係…源氏物語にも登場

  • 企画展「光源氏が愛したバラ」の展示作品に見入る人たち
    企画展「光源氏が愛したバラ」の展示作品に見入る人たち

 バラは西洋の花と思われがちだが、日本では元々バラが自生し、多くの古典文学に登場する。

 そんな一面を紹介する企画展が、斎宮歴史博物館(三重県明和町)で開かれている。タイトルは「光源氏が愛したバラ」。万葉集や源氏物語などをもとに、日本人とバラの歴史をひもといている。

 それがもと けさひらけたるうひばなに おとらぬきみが にほひをぞみる

 「源氏物語」(紫式部作)で中将が光源氏を褒めたたえ、詠んだ歌の一節だ。現代語訳すると、「今朝咲いたバラに劣らぬあなたの美しさよ」。

 「『けさ』は今朝、『うひばな』は朝最初に咲いた花。『さ』と『うひ』を続けて読むと『そうび』となり、薔薇そうび(=バラ)を詠んでいることになる」と同館学芸員の角正かくしょう芳浩さんは解説する。

 バラはトゲのある厄介な存在だが、平安時代の貴族はバラを物語に登場させた。背景には「唐の詩人・白居易がバラを魅力的に詠んで平安時代の日本に伝わり、文学者に人気となったことがある」と角正さん。

 江戸時代には色々なバラが輸入され、ブームが起きた。企画展では、明治初期にかけて活躍した日本画家幸野楳嶺ばいれい(1844~95年)が、弟子に線の引き方や色の塗り方を教えた絵手本「千種ちぐさ之花」など約45点を展示し、日本人とバラの関わりを紹介している。

 27、28日にはいずれも午後1時半から同館特別展示室で、角正さんによる展示解説がある。事前申し込み不要。

 同館エントランスホールでは6月3日まで、中将が光源氏に歌を詠んだ場面を表現し、色鉛筆で色づけできる塗り絵を置いてあり、大人も楽しめる。

 企画展最終日の同4日には同館正面玄関前で、伊勢市周辺で生産されたバラの切り花が特別販売される。月曜休館。観覧料は大人150円、大学生120円、高校生以下無料。問い合わせは同館(0596・52・3800)。(赤塚堅)

  • 企画展示されている絵手本「千種之花」。バラの一種「月季花」の描き方を説明している
    企画展示されている絵手本「千種之花」。バラの一種「月季花」の描き方を説明している