再開わずか1年、関空航路休止へ…関係者に衝撃

  • 運航休止の届けが出された淡路関空ラインの高速船。13日夜、関空発の最終便に乗客はいなかった(兵庫県の洲本港で)
    運航休止の届けが出された淡路関空ラインの高速船。13日夜、関空発の最終便に乗客はいなかった(兵庫県の洲本港で)

 洲本港(兵庫県洲本市)と関西国際空港を結ぶ高速船を運航している「淡路関空ライン」(本社・洲本市)が13日、国土交通省神戸運輸監理部に7月14日以降の運航休止を届け出た。乗客が予想を大きく下回り、運航再開から1年足らずで赤字は1億円を超える見通しに。同社は、小型船に切り替えて再開を目指すとしているが、訪日客(インバウンド)誘致の切り札にと期待した関係者らに衝撃が広がった。

 神戸運輸監理部は、休止の届け出を受理。許認可は不要で、届け出れば事業者の判断で休止できる。理由として同社は、経営状態の悪化を挙げている。

 淡路島と関空を結ぶ航路は、明石海峡大橋の開通や高速バスとの競合に伴い、2007年までに姿を消したが、インバウンドの誘致に向けて昨年7月、同社が10年ぶりに1日5往復で復活させた。しかし、関係者によると、年間9万人を見込んだ客数が、今年5月現在で約1万5000人と低迷。乗客10人に満たない便もあり、赤字は当初予想した6000万円が、約1億5000万円に膨らむ見通しという。

 同社の吉村静穂会長は取材に「PRに努めたが、認知度が高まらなかった。来島するインバウンドが増える前の運航再開で、少しタイミングが早かった」と説明。燃料費の高騰もあり、現行の104トンの高速船から約20トンの小型船に切り替えて再開を目指す考えを示した。

 運輸監理部には、今月25日から小型船に替える事業計画変更認可申請を8日に提出。岩屋港(淡路市)―明石港(明石市)間を運航しているグループ会社の淡路ジェノバラインと、使用船を交換する。吉村会長は「7月14日以降は、小型船による運航の届け出を監理部に提出する」と話した。

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 「島の観光戦略推進には航路維持が不可欠」とする淡路島の3市は、港の設備や宣伝費などの初期費用として、淡路広域行政事務組合を通じて4500万円、さらに洲本市が1500万円を追加して計6000万円の補助金を5月に交付したばかり。

 13日までに同社の役員が3市を訪ねて休止方針を説明したが、各市とも担当者は「寝耳に水」と驚き、戸惑いを隠さない。洲本市の竹内通弘市長は役員に「とても受け入れられない」と直接伝えたといい、関係者は「補助金を受け取った後で一方的に休止を告げるとは」と怒りをにじませた。

 観光関係者や兵庫県、3市は高速バスで約2時間かかる関空まで65分で直結する航路の存在を前提に、乗り継ぐ交通機関の整備や利便性アップへの施策を打ち出しており、航路のあり方によっては難しい対応を迫られそうだ。(高田寛)

2018年6月14日19:10 Copyright © The Yomiuri Shimbun