2五輪一括決定 魅力ある祭典に変われるのか

 異例の手法には、国際オリンピック委員会(IOC)の強い危機感が反映されている。

 IOCが、2024年と28年の夏季五輪の開催地を一括して決定することを臨時総会で承認した。

 24年五輪に立候補している米ロサンゼルスとパリのいずれかが、28年五輪を開催する。9月の総会で振り分けが決まる見通しだ。

 住民の後押しを受けて、五輪招致に積極的に取り組む都市が減少している。その厳しい現状が、今回の承認の背景にある。

 24年五輪には両市のほかに、独ハンブルク、ローマ、ブダペストが名乗りを上げていたが、次々と撤退した。重い財政負担への懸念が主な原因だ。住民投票で招致反対が過半数を占めて、撤退を余儀なくされた例もある。

 20年東京五輪の開催計画で、費用の高騰が問題化したことも一因となったのではないか。

 ロサンゼルスとパリだけが残ったことは、ごく限られた大都市しか五輪を開催するのは難しくなっている現実を物語る。

 大会の7年前に開催地を決める方式を続け、28年五輪の招致でも各都市からそっぽを向かれれば、五輪の地位は大きく揺らぐ。それを避けるために、IOCは窮余の策に打って出たと言えよう。

 2大会の開催地が同時に決まれば、24年五輪を招致できなくても、再度、招致活動に取り組む必要はなくなる。両市にとってのメリットは小さくない。

 冬季五輪でも、危機的状況は変わらない。22年五輪の北京開催が決まった際にも、撤退する都市が相次いだ。14年ソチ五輪で、ロシアが5兆円とされる巨費をつぎ込んだ。それにより、敬遠ムードが広がったことは間違いない。

 肥大化し、国威発揚の場としても利用されてきた五輪は、変容を迫られている。28年までは夏季五輪の開催地の心配が不要になることで、IOCは、腰を据えて改革に取り組まねばならない。

 改革の基になるのは、IOCが14年に採択した「アジェンダ2020」だ。開催都市の負担軽減のため、既存・仮設施設の活用といった対策が盛り込まれている。

 20年東京五輪は、改革を実践する大舞台である。開幕まで24日であと3年となる。政府や都、大会組織委員会の連携不足などで、準備には遅れが目立つ。

 将来の五輪の姿をどのように描くのか。東京五輪は世界の注目を集めていることを肝に銘じ、準備を加速させてもらいたい。