熊本地震2年 仮住まいの解消が最優先だ

 恒久的な住まいの確保こそが、被災者の生活再建の礎となる。政府や自治体は、住宅整備に最優先で取り組むべきだ。

 熊本地震の発生から、2年を迎えた。観測史上初めて、2度の震度7の地震に襲われ、50人が犠牲となった。20万棟近い家屋が損壊した。耐震補強の重要性を改めて認識させられた。

 被災家屋の公費解体は、申請のあった3万5676棟でほぼ終了した。甚大な被害が出た益城町では、道路の拡幅や区画整理事業が進行中だ。災害に強い町づくりは、住民の安心につながるだろう。

 問題は、被災地の人口減少が目立ち始めていることだ。仮設住宅などでの不便な生活が長引いているため、別の土地で生活再建を目指す住民が多いのだろう。

 仮設住宅や、民間住宅を借り上げた「みなし仮設」などの入居者は3月末現在で、今なお約3万8000人にも上っている。ピークだった昨年5月に比べて、2割ほどしか減っていない。

 熊本県は、2020年4月までに全入居者が新たな住まいに移ることを目標とする。それを実現するために、復興住宅の整備を加速させたい。1735戸の整備計画に対し、建設や設計に着手したのは約6割にとどまる。

 建設に適した用地が不足している。業者が建設作業員を確保できず、入札不調などに終わる例も目立つ。全国的な作業員不足が、復興の障害になっている。

 住民の流出を抑えるためには、仮住まいの早期の解消が欠かせない。県は、政府や業界と連携し、作業員の確保に出来る限りの手立てを講じてもらいたい。

 県は仮設入居者らを対象に、賃貸住宅への転居費助成などを実施している。制度の一層の周知も忘れてはならない。

 避難生活での持病の悪化などによる災害関連死は、200人を超えている。市町村が関連死だと認定した被災者の遺族には、最大500万円が支払われる。

 ただし、統一的な認定基準がなく、自治体側には、政府に基準策定を求める声が根強い。

 災害ごとに様相は異なるだけに、一律の基準策定には難しい面もあるだろう。今後の災害時の参考になるよう、まずは審査例を蓄積することが大切ではないか。

 死者40人を出した昨年7月の九州北部豪雨など、九州では大規模災害が相次ぐ。11日に発生した大分県中津市の山崩れでは、安否不明者の捜索が続いている。一刻も早い救出を願いたい。