「豊洲」「五輪」で舌戦、夏の首都決戦幕開け

  • 都議選が告示され、候補者の第一声に耳を傾ける人たち(23日午前10時39分、東京・新宿駅西口で)=菅野靖撮影
    都議選が告示され、候補者の第一声に耳を傾ける人たち(23日午前10時39分、東京・新宿駅西口で)=菅野靖撮影

 小池都政の評価、3年後に迫った五輪・パラリンピック、市場移転――。

 多くのテーマが問われる東京都議選が23日スタートした。説得力のある首都の針路を示し、信任を得るのはどの政党、候補者なのか。梅雨の晴れ間の下、繁華街で、住宅地で、多くの有権者が訴えの声に耳を傾けた。

 学校法人「加計かけ学園」を巡る対応のまずさなどで内閣支持率が下落する中の選挙戦となった自民党。北区のJR王子駅近くで演説した二階幹事長は、一連の問題には触れず「東京五輪・パラリンピックが開催される時、先頭を切って活躍できるよう、候補者に力強いご支援を」と訴えた。

 同区を含む衆院東京12区は、自民党が候補を立てずに公明党の候補を支援するなど、北区は両党の共闘を象徴する地域だった。しかし今回は、地域政党「都民ファーストの会」と公明党が選挙協力をするため、自公が真っ向からぶつかることになる。杉並区の会社員女性(55)は「都民ファーストと公明の協力は、選挙目当てにしか見えない」と語った。

 「小池都知事の政策はよく分からない」というのは北区の無職男性(87)。安倍政権の支持率は下がっているが「長期的にみれば自民党が安定している」と話した。

 JR渋谷駅前のスクランブル交差点付近では、都民ファースト代表を務める小池百合子知事が第一声を上げた。4年前の前回選では、自民党の広報本部長として都内を回ったが、今回は「情報を隠す古い議会はもう要らない」などと古巣を批判。「皆さんの1票が都政を変える」と呼びかけると、集まった大勢の聴衆から拍手が湧き起こった。

 「都民の声が直接届くクリーンな都政に変えて、新しい東京をつくってほしい」。演説を聞いた豊島区の会社員男性(40)は期待を寄せた。

 これに対し、渋谷区の主婦(77)は「築地市場の移転問題などの対応は、『八方美人』のようにも見える。分かりやすい政策を打ち出してほしい」と注文した。

 都民ファーストと連携した公明党は、築地市場の移転問題では小池知事に早期の判断を求めていた。JR目黒駅前で公明党の山口代表の演説を聞いていた目黒区の主婦(65)は「選挙前に知事が移転を表明したのは良かった。公明党の実行力が後押しした。今後も力を発揮してくれると思う」と評価した。

 一方、同区の主婦(44)は「国政では自公が協力している。知事と自民党の間に立って都政をうまく進めていくことを期待している。子育て中なので、教育分野の支援を厚くしてほしい」と語った。

 党勢の回復がままならず、離党者も相次ぐ民進党。蓮舫代表は、現職を擁立したJR中野駅南口で、「しっかりと情報開示し、向き合う政治をする」と訴えた。中野区は定数が4から3に削減された上、有力候補がしのぎを削る激戦区だ。

 演説を聞いた同区の主婦(32)は「古い体質の都議会を変えたいという力強い思いが伝わった。子育て政策など他党との違いを聞いて投票する候補を決めたい」。

 自民党との対決姿勢を打ち出した前回選で議席を伸ばした共産党も、生き残りに懸命だ。志位委員長はJR新宿駅前で、「築地市場の豊洲移転は中止を」と小池知事の判断をやり玉に挙げた。小金井市の無職男性(65)は「改憲の動きがある中で、都議選は国政を占う上でも大事だ」と語った。