民進・共産、埋没懸念…「政権批判票」奪われ

 23日に告示された東京都議選で、民進、共産両党が独自色の発揮に躍起になっている。

 自民党と、小池百合子都知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」との対決構図が強まる中、埋没することを懸念しているためだ。

 「私たちは『消えた年金』も許さなかった。その前には薬害エイズ、そして今は森友、加計かけ学園の問題。民進党に託してほしい」

 民進党の蓮舫代表は23日、東京都中野区での演説で、前身の民主党時代から政府を追及してきた実績を強調し、支持を訴えた。

 都議選は「都議会第1党」の維持を目指す自民党と、「台風の目」になりそうな都民ファーストによる「事実上の一騎打ち」(自民党都連幹部)との観測が強まっている。

 読売新聞社が5月20、21の両日に実施した世論調査では、政党別の投票先で自民党25%、都民ファースト22%が拮抗きっこうしている。

 一方で、共産党は6%、民進党は5%にとどまった。本来なら、政権批判層の受け皿となる両党だが、今回は、その役回りを都民ファーストに奪われた形となっている。

 両党は、改正組織犯罪処罰法(テロ等準備罪法)や加計学園の獣医学部新設を巡る問題など、国政問題で政府・自民党への攻勢を強め、政権批判票を取り戻す戦略を描く。民進党関係者は「国政が最大の関心事である都民は多いはず。地域政党との違いをアピールしたい」と話す。

 共産党は、最大の争点となる東京・築地市場(中央区)の豊洲市場(江東区)への移転問題で活路を見いだそうとしている。自公や都民ファーストが豊洲への移転を主張する中、共産党は「豊洲への移転を中止し、築地を再整備する」案を掲げ、各党との差別化を図っている。

 ただ、国会が閉会し、政府を追及する場が事実上ない中で、民進、共産両党とも、都民ファーストに流れている政権批判票を奪い返すだけの決定打を欠いているのが実情だ。民進党内からは「都議選は地方選の一つに過ぎない」(幹部)と、早くも都議選後の「蓮舫降ろし」の予防線を張る声も出ている。