谷本・石川知事、現職最多の7選目指し出馬意向

  • 東京国立近代美術館工芸館の移転計画について梶山地方創生相(右)に説明する谷本知事(6日、金沢市出羽町で)
    東京国立近代美術館工芸館の移転計画について梶山地方創生相(右)に説明する谷本知事(6日、金沢市出羽町で)

 谷本正憲・石川県知事(72)は6日、来年3月の任期満了に伴う知事選に7選を目指し、出馬する意向を示した。

 7選となれば、現職知事として最多。谷本氏をめぐっては、「手堅い」との評価の一方で、約24年にわたる県政運営の弊害を指摘する声もくすぶる。谷本氏は12日の県議会で出馬を正式表明する見通しだが、自民党の一部議員は多選を批判し、独自候補の擁立を模索している。

 谷本氏は6日午前、金沢市内で、視察に訪れた梶山地方創生相を案内した後、記者団から次期知事選について問われると、「9月県議会で質問があれば、何らかの態度を表明する」と話した。谷本氏はこれまで、知事職を務めるには体力が必要と語っており、体力面で支障はないかと尋ねられると、「どっかあると思われます? 見て」と記者団に逆質問し、続投に自信を見せた。

 谷本氏は、兵庫県西脇市出身で京都大法学部卒。自治省(現・総務省)の官僚や石川県の副知事などを経て、中西陽一・前知事の死去に伴い1994年に行われた知事選で、新生党(当時)を中心とする「非自民・非共産」系の支援を受け、無所属で出馬。自民党の推薦候補を破り、初当選を果たした。

 谷本氏の政治手法は、敵を作らない「調整型」。「初当選直後も、自民党を恨まなかった」(自民党ベテラン県議)といまだに語られるように、選挙戦で戦った県議会最大会派の自民党と良好な関係を保った。再選した98年の知事選以来、共産党を除く与野党相乗りの「オール与党体制」で、県内に盤石な基盤を築いた。自民党県連の幹部からは「大きな失点がなく、多選以外に攻めるところが少ない」との声が漏れる。

 6期目では、2015年3月に北陸新幹線の金沢駅が開業。谷本氏は「新幹線効果の最大化と県内各地への波及」を目指し、企業誘致や移住促進、観光振興などの政策に予算を重点的に充ててきた。

 その一方で、多選による組織の硬直化など弊害を指摘する声は根強い。「県内を二分するような政策課題を避けている」ともされている。発信力の弱さも指摘され、他県では当たり前の知事の定例記者会見も、石川では行われていない。「谷本流」が四半世紀も続いている状況だ。

 多選を巡っては、谷本氏と同じ1945年生まれで、6期を務めた橋本昌・茨城県知事が、8月の知事選で多選批判され、自民党推薦の候補に敗れた。谷本氏は6日、記者から多選への認識を問われると、「県政の停滞があってはならない」と強調した。その上で、谷本氏は「新幹線の開業効果をどういかしていくかなど、職員が知恵を出してくれている。だから、石川全体が今非常に元気だ」と述べ、県内の活況が、多選の弊害が出ていないことの証しだとの持論を展開した。