1人区、自民手堅く…野党は東北で勝ち越し

 与野党対決の主戦場となった全国32の「1人区」(改選定数1)の選挙区選は、21勝11敗で自民党に軍配が上がった。

 注目を浴びた民進、共産、社民、生活の野党4党の統一候補は、東北や甲信越などで一定の成果を発揮し、与党を苦しめた。

 参院選は、2~6の「複数区」で与野党が議席を分け合うケースが多く、1人区が全体の勝敗を大きく左右してきた。

 今回は、「1強」の自民党に対抗するため、民進党や共産党はそれぞれ、公認や推薦候補を取り下げ、1人区すべてで統一候補を擁立した。各党は党幹部を1人区に連日投入し、安倍首相(自民党総裁)も公示後、重点的に応援に入った。

 自民党は、「金城湯池」とされる北関東の群馬や栃木、北陸の富山、石川、福井のほか、初の合区実施となった「鳥取・島根」「徳島・高知」などで手堅く議席を獲得した。

 民進党の現職と争った滋賀や奈良でも議席を獲得し、参院選全体の勝利につなげた。

 ただ、1人区全体での議席獲得率は66%にとどまり、大勝した2013年参院選の94%から後退。自民党が野党だった10年の72%も下回った。

 大きな要因は、環太平洋経済連携協定(TPP)への反発が強い東北での不振だ。従来の農業票が離反したことで、岩手、山形で完敗。青森、宮城、福島で接戦を落とし、東北6選挙区で1勝5敗と負け越した。

 野党統一候補は、今回から改選定数が「2」から「1」に減った宮城、新潟、長野の全3選挙区でも勝利。いずれも、前回まで野党と議席を分け合ってきた選挙区だけに、自民党幹部は「ぬるま湯につかってきたツケだ」と深刻に受け止める。民進党は、岡田代表が党代表の進退をかけた地元・三重でも辛勝し、面目を保った。

 一方で、基本政策に隔たりのある共産党と他の野党との共闘には、選挙区ごとの温度差も目立った。民進公認候補15人のうち、佐賀や長崎などが共産の推薦を受けなかった。「共産アレルギー」の強い連合や保守層の反発を恐れたためとみられるが、結果的に票は伸び悩んだ。民進党が自主投票とした和歌山、香川でも大きく引き離された。

 13年参院選では、自民党が29勝2敗(当時の1人区は31)と野党を圧倒し、参院で与党が少数の「ねじれ国会」の解消につなげた。逆に第1次安倍内閣当時の07年参院選では、与党は6勝(同29)にとどまり、09年に当時の民主党に政権を明け渡すきっかけとなった。

 10日投開票が行われた参院選で、福島選挙区では民進党現職の増子輝彦さん(68)が、法相で自民党現職の岩城光英さん(66)と幸福実現党新人の矢内筆勝さん(54)を抑えて3選を果たした。改選定数が1に減り、現職2人の激しい競り合いとなったが、増子さんは共産、社民両党の支援を受けて現職の閣僚を落選に追い込んだ。投票率は3年前の前回選より2・60ポイント高い57・12%だった。