「出陣式参加できないなんて…」困り顔の県議も

  • 9月定例会が開会中の県議会。衆院選公示と特別委の日程が重なった
    9月定例会が開会中の県議会。衆院選公示と特別委の日程が重なった

 22日投開票で行われる衆院選の公示日(10日)と山形県議会の日程が重なり、選挙運動の「実動部隊」である県議が頭を悩ませている。

 候補者の出陣式に出席した後、大急ぎで県議会に駆け付ける人がいる一方、遠方で県議会に間に合わないため、出陣式の出席を断念した人もいる。

 「ただでさえ、投開票日まで日数が少ないうえに、出陣式まで参加できないなんて弱っちゃうよ」。県議の一人は困り顔を見せる。

 衆院選の公示日の10日には、現在開会中の県議会9月定例会の「子ども・若者支援対策」「県土強靱きょうじん化・危機管理対策」「産業振興・雇用対策」の三つの特別委が午前10時から開かれる。三つの特別委には、県議44人のうち、自民党や県政クラブ、共産党などの計28人が所属している。

 公示日には、各陣営が出陣式を開くのが慣例だ。候補者の「第一声」に加えて、支援する県議や市町村議の激励のあいさつが行われる。今回の衆院選でも10日の公示日には、多くの陣営で午前9時前後から出陣式が予定されている。

 山形市にある県議会まで距離が近い山形1区(山形市、天童市など)内の選挙区選出の県議の多くは、出陣式に出席しても特別委に間に合う。一方、山形3区の鶴岡市や酒田市など、車で2時間近くかかる庄内地域選出の県議は、早々に出陣式への出席を断念した。

 鶴岡市選挙区選出で子ども・若者支援対策特別委に所属する自民党・佐藤聡県議は「県議会があるので欠席は理解してもらっている。その分、地元に戻ったらしっかり動きたい」と話す。同じ鶴岡市選挙区選出で産業振興・雇用対策特別委の共産党・関徹県議も「物理的に出陣式と県議会両方の出席は無理。県議会を優先し、選挙もしっかりやる」と語った。

 あるベテラン県議は、衆院選で同じ党の候補が同じ区に複数立った中選挙区制の時代なら「出陣式で姿が見えなければ『相手候補に寝返ったのか』と痛くもない腹を探られたもんだが……」と回顧する。

 三つの特別委は、少子化・人口減や防災・危機管理、産業活性化など、いずれも県の発展や県民の安全・安心に深く関わる重要なテーマを議論する場だけに、ある県議は「衆院選を理由に議論を停滞させるわけにはいかない。思うところはいろいろあるが……」とつぶやいた。