希望の候補擁立難航、政権選択選挙の構図薄れる

 10日公示された衆院選では、政権交代を打ち出した希望の党の公認候補擁立が難航し、過半数をわずか2人上回る235人にとどまった。

 希望が単独で政権交代を実現するには候補者ほぼ全員の当選が必要だ。首相候補も明言しないままで、「政権選択選挙」という構図は薄れつつある。

 「改革の仲間を国政に送りたい。もっと政府に緊張感を生み、『安倍1強』政治にノーを突きつける」

 10日、東京都内で遊説した希望の小池代表(東京都知事)はこう繰り返したが、政権獲得への意欲は明確に口にしなかった。

 先月25日に党代表就任を発表した記者会見では、「政権選択選挙なので候補者を多数立てていきたい」と明言。「250人程度の擁立を目指す」(党関係者)計画だったが、民進党との合流を巡る混乱で党のイメージは低下した。希望の公認を辞退し、無所属出馬に切り替える民進出身者も出た。

 候補者の積み上げは難航し、当初に予定していた9日の追加公認の発表は見送り。公示当日に34人を発表するという異例の事態となった。小池氏は10日夜のNHKの番組で、勝敗ラインについて「できるだけ多くの候補者の当選だ」と発言をトーンダウンさせた。

 党の失速を招いた要因の一つが、党の顔である小池氏が不出馬を決めたことによる首相候補の不在だ。小池氏は5日、側近らと協議し首相候補を早急に決める考えを示したものの、9日の日本テレビの番組でも「選挙結果を見て判断する」と述べ、先送りしたままだ。

 一方で8日の日本記者クラブ主催の党首討論会では、選挙後に自民党と連立政権を組む可能性を否定せず、党内からは「選挙後に自民党と連携すれば筋が通らない」と不満の声が漏れる。

 首相候補の不在は与党の格好の攻撃材料ともなっており、安倍首相は10日のNHKの番組で「政権を担うと言っている以上、(首相候補を)誰にするのか示した方が国民にとって選択しやすい」と指摘した。

 読売新聞社が7~8日に実施した世論調査では、衆院比例選の投票先で、希望は前回から6ポイント減の13%にとどまり、伸び悩んでいる。