野党「臨戦態勢」には程遠く…衆院解散へ

 野党は、安倍首相が臨時国会冒頭で衆院解散に踏み切る意向を固めたことを踏まえ、選挙準備を加速させる構えだが、臨戦態勢にはほど遠い状況だ。

 「離党ドミノ」で混乱する民進党では、候補者の擁立作業が遅れている。共産党との選挙協力を継続するのか、解消するのかも決まっていない。無所属議員が小池百合子東京都知事との連携を目指して発足させる新党も、手探りの論議が続いている。

◆党勢低迷

 「(安倍首相の)自分勝手な解散だが受けて立つ。しっかりと準備したい」

 民進党の前原代表は17日、党本部で記者団にこう語った。前原氏はこの日、大島幹事長や松野頼久国会対策委員長ら幹部と断続的に衆院選への対応を協議した。

 来月の衆院選は、「1票の格差」の是正などのため、定数10減の465議席(小選挙区289、比例176)で争われる。

 読売新聞の調べでは、民進党は現在、289小選挙区のうち210選挙区で候補者擁立のメドが立っている。執行部は上積みを図る方針だが、党内の混乱や党勢低迷で、候補者探しが思うように進んでいないのが実情だ。党内からは「上積みは10~20人が限界ではないか」(中堅)との声も漏れている。

◆割れる方針

 今後の最大の焦点となるのが、野党共闘がどう実現するかだ。前原氏は先の代表選で、共産党との選挙協力を見直す方針を掲げた。一方で、民進党内には野党共闘に前向きな議員も多い。

 昨年の参院選では、改選定数1の「1人区」32選挙区のうち、野党統一候補は11選挙区で自民党に勝利しており、共闘の効果は明らかだった。民進党内からは「衆院選でも共産と共闘できれば、与党に痛手を負わすことが出来る」と期待する声がある。

 共産党は、来月の衆院選で、現職が出馬する選挙区を中心に15選挙区を「必勝区」と位置づけている。民進党がこの15選挙区で候補者擁立を見送れば、共闘が成立するとみられている。ただ、前原氏は「共闘を認めれば党内の保守派の反発を招く」(周辺)と警戒している。17日も記者団に「(次期衆院選は)あくまでも理念・政策が一致する政党と連携を図っていく」と述べるにとどめた。最終的には、選挙協力が進んでいる小選挙区については、黙認することになるとの見方も出ている。

◆「空中戦」か

 細野豪志衆院議員ら民進党の「離党組」と、小池氏に近い若狭勝衆院議員らは、新党の党名、綱領などを決める作業を急いでいる。若狭氏は17日、記者団に「(新党結成の)スピード感が上がっていくのは間違いない」と語った。近く国会議員10人前後での結党を目指している。

 新党は、若狭氏が発足させた政治塾の塾生を中心に100人規模の新人の擁立を目指す。ただ、新党を結成しても、新人の選挙資金や手足となって動く組織のあては見つかっていない。新党に参加予定の無所属議員は「新人は『小池人気』に頼るしかない」と、「空中戦」での戦いを予想している。