民進の解散批判に「政権交代狙わないのか」

 安倍首相が衆院解散・総選挙に踏み切る意向を固めたことに対し、民進党は「大義がない」と批判を強めている。

 首相の解散戦略を否定して野党のペースに持ち込む狙いがあるが、与野党には「政権交代を目指しているのに解散に後ろ向きなのはおかしい」と冷ややかに見る向きもある。

 民進党の松野頼久国会対策委員長は19日、自民党の森山裕国対委員長と国会内で会談し、「臨時国会を開いて代表質問、予算委員会、できれば党首討論をやってから解散しないと争点が分からない。大義なき解散だ」と抗議した。

 民進党は、安倍首相が8月の改造で発足した内閣を「仕事人内閣」と称しながら、新たな閣僚のほとんどが国会答弁に立っていないことなどを批判し、衆院解散が時期尚早であると世論に訴える戦術をとっている。19日の自民、民進両党の参院国会対策委員長会談で、民進党の那谷屋正義・参院国対委員長は「内閣改造から一回も国会が開かれていない。『何もしないかく』だ」と皮肉った。

 首相が解散理由に掲げる北朝鮮への政府対応についても、「選挙で政治空白が生じる」と指摘。山井和則国対委員長代行は19日、記者団に「勝てそうな時にやっておこうという無責任解散だ」と語った。

 ただ、民進党のこうした反発の背景には、選挙態勢が整っていないことや、「離党ドミノ」で混乱する党内情勢があるとみられている。党の支持率低迷に苦しんだ蓮舫前代表も、早期解散について態度を鮮明にしなかった経緯があり、自民党からは「どちらが党利党略か」(幹部)と指摘する声が出ている。

 民進党の枝野幸男代表代行は自らのツイッターで「選挙がないと議席が増えないから、野党にとって解散は歓迎だ」と書き込んだが、党内ではこうした意見は少数だ。

 日本維新の会の松井代表(大阪府知事)は19日、「大義も何も、自分たちの政策に自信を持って選挙を戦うしかない。いまさら言い訳しても仕方ない」と民進党の姿勢を当てこすった。