テレビ

高視聴率でも不評?「とと姉ちゃん」にあるモヤモヤ

PRプロデューサー 殿村美樹
 4月に始まったNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」が、10月1日の最終回まで残すところ約1か月に迫った。実在した女性編集者の軌跡を描くストーリーは、初回平均視聴率が22.6%(ビデオリサーチ・関東地区)を記録し、その後も順調に数字を伸ばしている。にもかかわらず、ドラマの評判は必ずしも良いとは言えず、「イラッとする」「ゾッとする」など批判もある。なぜ、不満を抱えた視聴者の意見をものともせず、高視聴率を維持し続けるのか、年末恒例の「今年の漢字」などを企画したPRプロデューサーの殿村美樹さんが探る。

不満はあるけど、見ないではいられない

  • ヒロインの小橋常子(右・高畑充希)と花山編集長(左・唐沢寿明)(NHK提供)
    ヒロインの小橋常子(右・高畑充希)と花山編集長(左・唐沢寿明)(NHK提供)

 放送が始まって以来、ずっと高視聴率を維持している人気の朝ドラ「とと姉ちゃん」。

 それなのに、「つまらない」「イライラする」「あり得ない」などと芳しくない感想も耳にします。この傾向はインターネットを見ると顕著に表れています。

 ヤフーが運営するドラマ感想投稿サイト「みんなの感想」にも、テレビドラマの感想を書き込む専用サイト「ちゃんねるレビュー」でも、評価を示す星の数は、満点の五つと同じくらい多く最低の星一つがあり、両極端に分かれています。

 このように感想の良し悪しが明確に分かれる場合、悪い評価を下した視聴者が離れていくため、視聴率を維持し続けることはまずありません。しかし、不思議なことに「とと姉ちゃん」の視聴率は、高いまま推移するどころか、さらにアップしているのです。

 最近では8月17日の放送回が、同作過去最高の25.9%(ビデオリサーチ・関東地区)の視聴率を記録したと発表されました。

 これは、多くの人々が何か違和感や不満を抱えながらもドラマを見続けているという状況を意味します。もしかしたら前代未聞かもしれません。つまり、「とと姉ちゃん」には、「不満はあるけど、見ないではいられない」新しい魅力があることになります。

 その魅力とはいったい何なのか、さっそく深掘りしてみました。

2016年08月24日 08時24分 Copyright © The Yomiuri Shimbun