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復讐劇「嘘の戦争」が視聴者の心をつかんだワケ

コンサルタント/コラムニスト 木村隆志

絶対に殺さず社会的抹殺を貫く

  • 現代風にアレンジされた復讐劇(C)関西テレビ
    現代風にアレンジされた復讐劇(C)関西テレビ

 最大の見どころは、「嘘つき」呼ばわりされたことを逆手にとった浩一の復讐シーン。怒りに任せて殺人鬼になるのではなく、詐欺師ならではの手法で、30年前の事件関係者たちにさまざまな罠を仕掛けています。

 浩一が考える復讐は、お金をだまし取り、犯罪やスキャンダルを暴くなど、「社会的に抹殺する」こと。他の復讐劇のように「殺しておしまい」ではなく、「生かせたままつらい目に遭わせる」ことで、精神的なダメージを負わせようとしています。視聴者としては、「残忍な殺害シーンがない“理性ある復讐”だから落ち着いて見られる」という安心感もあるでしょう。

 特筆すべきは、「社会の権力者」とされる立場の人々に復讐していること。1話で大学病院准教授・五十嵐久司(甲本雅裕)、2話で弁護士・六反田健次(飯田基祐)、3話で刑事・三輪郁夫(六平直政)、4話で政治家・四条綾子(ジュディ・オング)、5話で大手銀行エリート行員・九島亨(平岳大)と、きっちり1話1人ずつ復讐を遂げていきました。

 いずれも、一般人に対して強みを持つ権力者ばかりであり、「弱者が強者を打ちのめす」図式に視聴者は爽快感を覚えるのです。また、「権力者たちに不正やおごりはつきもの」とばかりに暗部を暴き、すきを突いた脚本は巧みそのもの。自分の周囲にはびこる権力者への“疑似復讐”のように重ね合わせてストレス解消している人もいるようです。

 昨今、自分たちの日常にある権力への嫌悪感や不信感は強くなる一方。ネット上でのバッシングやストライキなどの行動に移す人も見られますが、大半の人は「疑問を感じつつも、物わかりのいい顔でやりすごさなければいけない」という状況で我慢の日々を過ごしているだけに、「嘘の戦争」は時流に合っていると言えます。

 7話では、メインの復讐相手である巨大企業・ニシナコーポレーション一族の長男・仁科晃(安田顕)を陥れることに成功。クライマックスに向けて、最大の権力者である父・仁科興三会長(市村正親)、次男・仁科隆社長(藤木直人)にどんな復讐を仕掛けるのか、期待値はピークに達しています。

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