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復讐劇「嘘の戦争」が視聴者の心をつかんだワケ

コンサルタント/コラムニスト 木村隆志

詐欺の手法は極めてシンプル

  • 色仕掛けなど、相手をだます手口はシンプルだ(C)関西テレビ
    色仕掛けなど、相手をだます手口はシンプルだ(C)関西テレビ

 ただ、浩一の詐欺手法は、それほど難解でも緻密でもなく、シンプルなものばかり。

 例えば、4話ではベテラン政治家の四条綾子が標的となりましたが、相棒のハルカを四条が心酔していた占い師の後継者に仕立て上げ、四条のもとに送り込みました。

 四条が不正に得たお金を隠し持っていることをつかんだハルカは、保管場所を変えるようアドバイス。直後に国税局職員に(ふん)した仲間を派遣して四条をあわてさせ、さらに安全な別荘の金庫にお金を移すよう仕向ける。後でお金が必要になった四条が確認した時には、すっかり空になっていたという寸法です。

 5話では、面識のないエリート銀行員の九島と知り合うために、浩一は出会い頭でわざとぶつかり、持参したワインを落として割る。ワインの弁償を申し出る九島に、「その代わりに一緒にお酒を」と誘う。ハルカに九島を誘惑させて信頼させ、九島に高価な器を預かってもらう。そこへ麻薬取締官に扮した仲間を派遣し、「器に麻薬が隠されていた」と脅す、という展開が見られました。

 扮装や色仕掛けなどの単純なものが多く、「現代的な詐欺手法が見られるのでは?」と期待していた人にとっては、「エッ?そんなに単純な方法なの?」と肩透かしだったかもしれません。

 しかし、当作はそんな詐欺のリアリティーよりも、巨悪を滅ぼす復讐劇というエンタメの要素を重視。リアリティーを突き詰めすぎると視聴者がそれに引っ張られて、復讐劇への注目度が落ちるため、ほどほどに留めることで終盤のカタルシスを引き出しているのです。

 実際、浩一が「破滅させてやる」「地獄を見ろ」と強い怒りを爆発させるシーン以外では、それほどの切迫感はありません。視聴者に「正体がバレないか?」「詐欺を見破られないか?」というスリリング感を与えながら、テンポよく復讐シーンにつなげています。

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2017年02月25日 16時15分 Copyright © The Yomiuri Shimbun