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「いい女」をネタにする女性芸人がウケる…なぜ?

テレビコラムニスト 桧山珠美

破壊力よりも拡散力

  • (イラスト・小牧真子)
    (イラスト・小牧真子)

 かつて、お笑いといえば、「かい~の」とか「そんなの関係ねえ」など、インパクトのあるダジャレや一発ギャグといった「破壊力」で人気を集めた。それが、SNSなどの影響で、最近は多くの人に共感され、シェアされる「拡散力」が求められている。ブルゾンちえみが爆発的人気となった三つの理由を挙げてみたい。

【理由1】インスタジェニックなメイク

 一つ目の理由は個性的なメイクにある。

 先日、東京・渋谷駅周辺を歩いていたときのことだ。流行の最先端と言われるこの場所で、ブルゾンちえみ風のメイクを施した女性たちを見かけた。周囲を見回すと、そこかしこにそれらしい風貌の人たちがいる。

 真っ赤な口紅のいわゆる「色気満開リップ」、太めのアイシャドー、まっすぐ引いた眉……。なにかとナチュラルが良いとされる日本人には、ちょっとなじみのないバッチリメイクが若者の間で流行している。黒髪のボブスタイルは、髪の毛を染められない女子高生でも真似(まね)できるため、インスタグラムやツイッターでは、「#ブルゾンメイク」などで拡散している。

【理由2】会社にも着ていける服装

 二つ目は衣装だ。白いシャツにタイトスカート、黒のタイツといういで立ちで、シンプルながらインパクトがある。モデルの菜々緒のように長身でスタイル抜群の女性なら、恋も仕事もお手のものといった、まさに「キャリアウーマン」といった雰囲気だ。

 ところが、身長も低く、ぽっちゃり気味のブルゾンちえみがこの格好をすると、体のラインがパツパツに強調され、どこかおかしい。

 実はこのシャツやスカートは、ユニクロやGUなどで同じようなものが手に入るとネットで話題になっている。全身を高級ブランドで固めて、仕事ができる「いい女」を気取られたら、ちょっと嫌味だったかもしれない。

 ところが、これなら、だれでも手軽にブルゾンちえみ風に自撮りを楽しめる。ツイッターやインスタグラムで広がる素人の「なりきりさん」たちが、ブルゾンちえみの知名度アップに一役買っているのは間違いない。

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