テレビ

ストーカー、サイコパス型…冬ドラ悪女を徹底比較

安心の菜々緒、リアルな木村多江

  • 「A LIFE~愛しき人~」の榊原実梨(菜々緒)は略奪型の悪女(C)TBS
    「A LIFE~愛しき人~」の榊原実梨(菜々緒)は略奪型の悪女(C)TBS

 1人目は「A LIFE~愛しき人~」の榊原実梨。実梨はヒロイン・壇上深冬(竹内結子)の夫・壇上壮大(浅野忠信)と不倫する“略奪型”の悪女です。今や悪女役の第一人者となった菜々緒さんが演じるだけに、その言動はオーソドックス。壮大が副院長を務める病院で情事にいそしみ、関係が破たんしたあとは深冬に嫌がらせをするなど、「いかにも悪女」という姿を見せています。

 しかし、壮大と別れた直後、「どうして愛してくれなかったの……」と人知れず泣き崩れたように、過去に受けた心の傷がきっかけで悪女になったのは明らか。「本当は悪女になんかなりたくなかった」と思っているのです。このタイプは1970年代から多くの女優が演じてきたので、視聴者は安心して悪女の振る舞いを楽しむことができます。

 2人目は「就活家族―きっと、うまくいく―」の川村優子。優子は上司の富川洋輔(三浦友和)に思いを寄せながらもセクハラ疑惑をでっちあげて洋輔を退社に追い込み、その後も再就職をあっせんするなど、執拗(しつよう)に関わり続ける“ストーカー型”の悪女です。

 注目のポイントは、「洋輔に断られても無職という弱みにつけ込んで何度も近づき、妻・水希(黒木瞳)とも接触して離婚の火種を作る」という地道かつ陰湿な行動パターン。「日ごろ出会いの少ないキャリアウーマンが、社内の既婚男性に一方的に好意を寄せる」「男性があいまいな態度を取るとつけ込まれてしまう」という展開にリアルな怖さを感じさせます。

 怖さを倍増させているのが、「悪女という自覚がない」木村多江さんの表情。「富川さんを助けたいだけなんです」という正義のもとに悪事を重ねるパターンで、サラリーマンの身近なところに潜む悪女を好演しています。

胸騒ぎの吉岡里帆、感情のない田中麗奈

  • 「カルテット」の来杉有朱(吉岡里帆)(C)TBS
    「カルテット」の来杉有朱(吉岡里帆)(C)TBS

 3人目は「カルテット」の来杉有朱。有朱は好きでもない家森諭高(高橋一生)をもてあそんだり、別府司(松田龍平)に思いを寄せる世吹すずめ(満島ひかり)に「大人は誘惑するもの」とそそのかしたり、真紀(松たか子)のバイオリンを盗んだり、過去には自分のクラスを学級崩壊させた経験があるなど、周囲の人々を振り回して喜ぶ“愉快犯型”の悪女です。

 悪さを際立たせているのは、「人が困っている顔を見るのが好き」「悪びれたところがない」と、自他ともに認める悪女であること。吉岡里帆さんが「目が笑っていない」演技を徹底することで、「常に何をしでかすか分からない」不穏なムードを醸し出し、視聴者は有朱が登場するだけで妙な胸騒ぎを感じるのです。

 4人目は「真昼の悪魔」の大河内葉子。葉子は外科医という立場を利用して、入院患者に(うそ)の診断をして脅したり、わざと危険な薬を投与したり、人体実験を持ちかけたり、父親を殺そうとするなど、人を傷つけても何とも思わない“サイコパス型”の悪女です。

  • サイコパス型の悪女、大河内葉子(田中麗奈)(C)東海テレビ
    サイコパス型の悪女、大河内葉子(田中麗奈)(C)東海テレビ

 「もしこんな医者がいたら……」と身の毛がよだつシーンの連続ですが、恐ろしいのは葉子の残虐な振る舞いにこれといった理由がないこと。それどころか人間としての感情がないため、他人の苦しむ姿を見て高笑いすることでしか、生きている実感を見いだせないのです。

 現実世界のニュースでは「犯人に人の心はないのか?」と思わせる残虐な事件が報じられ、脳科学者・中野信子さんの著書『サイコパス』がベストセラーになっています。新時代の悪女を田中麗奈さんが熱演しているのは間違いありません。

【あわせて読みたい】
・復讐劇「嘘の戦争」が視聴者の心をつかんだワケ
・「東京タラレバ娘」に見るアラサー女性の闇
・SMAP解散1か月、気になる「その後」教えます
・「1月のプロポーズ」が幸せを呼ぶこれだけの理由
・くりぃむ有田に続け、大人の合コン「5つの心得」

2017年03月18日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun