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朝ドラ「ひよっこ」が好評でも視聴率は残念な理由

テレビコラムニスト 桧山珠美
 4月にスタートしたNHK朝の連続テレビ小説「ひよっこ」。オリンピックが開かれた1964年の東京を舞台に、出稼ぎ、集団就職、高度経済成長など「昭和」をぎゅっと詰め込み、その中で奮闘するヒロインを描く。この時代に青春時代を送った団塊世代はざっと800万人。懐かしさにぐっと来る視聴者とともに、うなぎ上りになると期待された視聴率。ところが、ふたを開けてみると、視聴率は20%を数回超えたものの、18~19%台で足踏みしている。テレビコラムニストの桧山珠美さんが、伸び悩む視聴率の五つの理由を分析する。

「面白い」「泣ける」と高評価

  • すずふり亭・ホール。高子(佐藤仁美)からホールの仕事を教わるみね子(有村架純)(NHK提供)
    すずふり亭・ホール。高子(佐藤仁美)からホールの仕事を教わるみね子(有村架純)(NHK提供)

 ヒロインは、茨城県北西部の山あいにある「奥茨城村」の農家の娘・谷田部みね子(有村架純)。じいちゃん(古谷一行)、お母さん(木村佳乃)、妹、弟たちと暮らし、高校卒業後、家業を手伝うつもりでいた。ところが、東京に出稼ぎに行った父(沢村一樹)が突然、行方不明になって、生活が一変した。

 働きながら父を探そうと、おさななじみで親友の時子(佐久間由衣)とともに集団就職で上京。東京下町にある「向島電機」の「乙女寮」に住み込んで、トランジスタラジオの製造をすることになった。

 雲行きが怪しくなってきたのは第8週目(5月22日~27日)。向島電機に不況の波が押し寄せ、みね子たちの給料が1割減になってしまう。翌週(5月29日~6月3日)には、とうとう会社が倒産。乙女寮の仲間たちが散り散りになっていった。

 みね子は、行方不明になった父親が訪れていた東京・赤坂にある洋食店「すずふり亭」で働くことになる。

 単調で起伏に乏しいとされた「奥茨城」編、「向島」編を経て、6月からは、いよいよ、「赤坂」編の始まり、始まりだ。

視聴率は「べっぴんさん」より低い

 「ひよっこ」の評判は、「面白い」「泣ける」など決して悪くない。

 前作の「べっぴんさん」が残念な内容だっただけに、その反動もあるのだろう。「ひよっこ」については、「脚本、演出、音楽のどれをとっても非の打ち所がない」「『あまちゃん』以来の傑作ではないか」などと絶賛の声もある。辛口や毒舌と言われる批評家仲間にも、近所の主婦にも、すこぶる評判がいい。

 にもかかわらず、不思議なことに視聴率は期待されたほど上がらない。初回視聴率19.5%は、2013年の「あまちゃん」以降でワースト1位。これまでに数回、朝ドラの合格ラインとされる20%台になったものの、ほとんどが18~19%台をうろうろする状態が続く。

 もちろん、BSでの先行視聴もあれば、タイムシフト視聴もある。いまどき、地上波放送の視聴率だけで語れるものでもないだろうが、そうはいっても、あの「べっぴんさん」(平均視聴率20.3%)より視聴率が低いのは納得がいかない。

 こんなに面白いのになぜ? 有力だと思われる五つの説を検証したい。

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