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「直虎」の視聴率低迷はやはり「女大河」のせい?

PRプロデューサー 殿村美樹

現代人の心をつかむドラマの共通点

  • 中村屋や気賀の町衆たちが訪れ、直虎(柴咲コウ)は…。(NHK提供)
    中村屋や気賀の町衆たちが訪れ、直虎(柴咲コウ)は…。(NHK提供)

 過去10年の大河ドラマの中で、視聴者の心をギュッとわしづかみにした作品とそうではなかった作品のストーリーを簡単に見比べてみましょう。

《ベスト3》

「篤姫」

 薩摩藩主の分家の娘が周囲に求められて異例の出世を遂げ、ついに将軍家の御台所(みだいどころ)になり、幕末の激変に立ち向かうという天晴(あっぱ)れなストーリー

「天地人」

 無名の武将の子どもが周囲に求められて直江家を継ぎ、上杉景勝の右腕となって戦国時代を生き抜くスカッとする展開

「龍馬伝」

 幕末のヒーロー・坂本龍馬の生涯

《ワースト3》(「おんな城主 直虎」を除く)

「平清盛」

 日本最初の武家政権を打ち立てた「平氏」のリーダー・平清盛の生涯

「花燃ゆ」

 吉田松陰の妹で久坂玄瑞に嫁ぎ、未亡人になった杉文が度重なる苦難を乗り越えていくストーリー

「八重の桜」

 会津戦争を勇敢に戦って敗れ、ボロボロになってもくじけず、新島襄の妻になって苦労を共にし、同志社大学を創設した新島八重の曲折を描く

 

 こうして見ると一目瞭然ですね。

 トップ3のうち上位2作品は、無名の状態から“周囲に求められて”異例の出世を果たした“痛快ストーリー”なのに対し、ワースト3の2作品は、無名、かつ苦労を重ねる女性たちの“波乱万丈ストーリー”です。

 つまり、見ていて胸がすっとする「痛快ドラマ」はヒットするものの、山あり谷ありの「波乱万丈な物語」は避けられる傾向が見て取れます。ちなみに、ベスト3に入った「龍馬伝」とワースト1位の「平清盛」は、いずれも歴史上の大人物を描いた大河ドラマの王道ともいえる作品です。ただ、坂本龍馬は脱藩したアウトサイダーが時代を動かす豪快なイメージがあります。一方、平清盛は平家物語に通じる、どこか沈んだ雰囲気があることは否めません。

 もちろん、何事も「十年一昔」と言われるように、9年前にヒットした「篤姫」や8年前の「天地人」の成功の要因が今でも当てはまるとは限りません。しかし、この傾向は、最近のドラマにも共通しています。2016年のヒットドラマを振り返って見ましょう。平均視聴率の上位は次の3作品でした。

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