テレビ

量産されるブラブラ散歩番組を支える「素人力」

テレビコラムニスト 桧山珠美

変化球は夜のまち

  • タモリの博識ぶりが興味をひく「ブラタモリ」(NHK提供)
    タモリの博識ぶりが興味をひく「ブラタモリ」(NHK提供)

 「夜の(ちまた)徘徊(はいかい)する」(テレビ朝日系、金曜0時15分)
 「朝までハシゴの旅」(日本テレビ系、番組内企画)
 

 「ぶら散」の新境地をひらいたのは、マツコ・デラックスだった。15年4月からスタートした「夜の巷~」は、スタジオで数々のタレントを相手にトークを繰り広げ、お茶の間の人気者になったマツコが、ついに、オールロケで一般人と触れ合うと話題になった。

 「おい、ちょっと、なにしてるんだよ!」となれなれしく若い男性に声をかけたかと思えば、「ごめんね、ごめんね、いま大丈夫?」とマツコ流の気づかいも見せる。大学生と思われる若い男性3人を中華料理店に誘って、ビール片手に、将来の夢や仕事の相談に乗るという回もあった。

 「朝まで~」は、「1億人の大質問!? 笑ってコラえて!」(日本テレビ系、水曜19時56分)の人気企画の一つだ。盛り上がる週末の歓楽街で、最終電車から翌日の始発電車の間、一般人をつかまえて一緒に飲みまくる。もはや「ぶらぶら」ではなく、「べろべろ」だ。これまで、佐々木希、佐藤栞里(しおり)、浅田舞らがこの番組に出演し、ほろ酔いで一般人と気さくに飲み明かす様子は好感度をアップさせた。

「ワンカット」という挑戦

 こうして、ざっと見渡してみても、テレビの中が「ぶら散」だらけなのは一目瞭然だ。

 これに、BSの番組を加えれば、「TOKYOディープ!」「ニッポンの里山」「世界ふれあい街歩き」(いずれもNHKBSプレミアム)、「綾小路きみまろの人生ひまつぶし」「出発!ローカル線 聞きこみ発見旅」「バカリズムの30分ワンカット紀行」(いずれもBSジャパン)、「ふらり親子旅」「吉田類の酒場放浪記」(いずれもBS-TBS)、「大人のヨーロッパ街歩きアンコール」(BS日テレ)など、もう書ききれないほどだ。こうなると、「BS」が「ぶら・さん」とさえ読めてくる。

 「ぶら散」番組は、「アポなし」「行き当たりばったり」といった雰囲気の臨場感が売りだろうが、もちろん、事前の下調べ「ロケーション・ハンティング(ロケハン)」や収録後の編集がないということはない。

 これに対し、今年4月から始まった「バカリズムの30分ワンカット紀行」は、タイトルで示している通り、30分をワンカットで撮影し、そのまま放送する。多めに取材して、面白いところだけを編集して使うという現状に一石を投じるチャレンジにも見える。

 しかし、なぜ、ブラブラと散歩ばかりなのだろうか?

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