カンヌ国際映画祭2018

「新しい才能出現」との声も…「寝ても覚めても」

  • 会見で写真撮影に応じる(左から)東出昌大さん、濱口竜介監督、唐田えりかさん
    会見で写真撮影に応じる(左から)東出昌大さん、濱口竜介監督、唐田えりかさん

 カンヌ国際映画祭は後半に突入。現地時間の14日夕にはコンペティション部門に出品されている濱口竜介監督の「寝ても覚めても」の公式上映が行われました。前作「ハッピーアワー」に出演した演技経験のない女性4人が、ロカルノ国際映画祭で最優秀女優賞を受賞し、注目を集めた濱口監督。初の商業映画となる「寝ても覚めても」で、いきなりカンヌのコンペティション部門に選出されました。これは快挙といっていい出来事だと思っています。

 「寝ても覚めても」は、芥川賞作家・柴崎友香さんの小説を原作にした恋愛映画。うり二つの顔をした男性の間で揺れ動く女性の物語で、東出昌大さんが一人二役に挑み、唐田えりかさんがヒロインを演じています。

  • 公式上映後、唐田えりかさんは感極まって顔を覆った
    公式上映後、唐田えりかさんは感極まって顔を覆った

 公式上映終了直後、感極まったように顔を覆っていた唐田さん。本格的な演技はこの映画が初めてだったといい、上映後の取材では、「私はこの場所にいることが奇跡なんです。濱口監督、東出さんをはじめ、関わってくださった皆様への感謝の気持ちがあふれてしまいました」と涙の理由を、涙を浮かべながら振り返っていました。

 東出さんは、「クランクイン以前から、合言葉のように、『この映画でカンヌに行けたら』と話していたんです」と打ち明け、「僕はキャリア6年目だし、唐田さんもキャリアがすごく短いので、野球を覚えたてのやつらが、メジャーリーグに行きたいというような、バカみたいな話だったんですけど、映画愛が熱い監督に連れてきてもらったなと思っています」と喜びを語ってくれました。

  • 「この場所にいることが奇跡」と語った唐田えりかさん
    「この場所にいることが奇跡」と語った唐田えりかさん

 15日に行われた記者会見では、海外の記者から「日本のヌーベルバーグ(新しい波)、新しい才能が現れたと思いました」と称賛する声が聞かれました。濱口監督は、東日本大震災の被災地で取材したドキュメンタリーや「ハッピーアワー」の撮影を通し、試行錯誤の末に到達した独特の演出方法について、丁寧に説明していました。そして、カンヌについて、「映画青年にとって憧れの場所。映画の歴史の一ページに、端っこかもしれませんが、書き加えてもらったような気持ちでいます」と謙虚に語ったのが印象的。いえいえ。カンヌの歴史と世界の映画人の心に、太い文字で、「HAMAGUCHI」と書き込まれたに違いありません。(田中誠・写真も)

「寝ても覚めても」公式サイト

http://www.netemosametemo.jp

「寝ても覚めても」予告編

(c)2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/COMME DES CINEMAS

9月1日(土)、テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国公開!

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