社会

4人に1人が「本気で自殺を」…悲劇どう防ぐか

日本財団ソーシャルイノベーション本部 芳川龍郎
 繰り返される悲劇を防ぐ方法はないのか。電通の新入社員だった女性と青森の女子中学生、若い2人の死をきっかけに自殺の問題があらためてクローズアップされている。昨年1年間に、自ら命を絶った人は2万4025人(警察庁調べ)。自殺者の数は2009年以降、減少を続けているが、一方で「本気で自殺したいと考えたことがある」人や「自殺未遂をしたことがある」人が相当な数に上ることも明らかになっている。今年9月、自殺に関する4万人規模の意識調査の結果をまとめた日本財団ソーシャルイノベーション本部のチームリーダー、芳川龍郎さんが解説する。

追い込まれたあげくの「死」

 大手広告会社「電通」の女性社員(当時24歳)の過労自殺をめぐるニュースが波紋を広げた。亡くなった女性の1か月間の時間外労働は100時間を超えていて、死の直前、ツイッターで「死にたい」とつぶやいていた。

 青森では今年8月、女子中学生が2学期の始業式翌日に電車に飛び込んで亡くなった。その10日前に撮影された写真が、夏祭りの写真コンテストで入賞したことなどで話題になったが、中学生はいじめ被害を訴えており、「もう二度といじめたりしないでください」とスマートフォンに遺書を残していたという。

 どちらのケースでも言えるのは、人を死に追い込む「環境」があったと考えられることだ。

 自殺を「個人の悩み」によるものと考え、自ら人生を閉じるのも「自身の選択」とみなす人もいる。だが、上記の二つのケースからもわかるように、自殺には「追い込まれた末の死」が含まれているのだ。だから、この問題には社会全体で取り組むことが必要だと考えている。

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