政治

希望の塾と都議選の矛盾〔上〕「小池新党」は親衛隊か?

早稲田大学マニフェスト研究所事務局長 中村健
 東京都の小池百合子知事は昨年12月、自身が主宰する政治塾「希望の塾」の塾生から今夏の都議選に候補者を擁立する考えを明らかにした。都知事主導の新党設立や“小池チルドレン”議員の誕生となるのか。徳島県川島町(現・吉野川市)の町長を2期務め、地方政治を研究する中村健氏が、設立が取りざたされている「小池新党」の抱える矛盾を解説する。

なぜ小池知事は注目されるのか

  • 築地市場の豊洲市場への移転延期を説明する小池知事(2016年8月31日)
    築地市場の豊洲市場への移転延期を説明する小池知事(2016年8月31日)

 先の都知事選挙(2016年7月31日投開票)で、政党支援を受けた他の候補者に圧勝し、都知事に就任した小池百合子氏。就任後、直ちに築地市場の移転や東京五輪の競技会場など、都がこれまで進めてきた政策について問題提起して注目を集めてきた。

 年末年始のテレビ特番を含め、これほどまでに都政がワイドショーを連日占拠する状態はあまり記憶がない。

 なぜ小池知事は注目されるのだろうか?

 最大の要因は「情報公開」である。豊洲新市場建設において不適切な過程があり、そこには多額の税金が投入されていたことなど、当事者である市場関係者も都民も知らなかった。

 膨らむ東京五輪の予算についても、都民は情報を持っていなかった。小池知事が就任し、都政の情報が明らかにされると様々な人が都政について議論をはじめた。

 「何をやっているのかわからなかった都政がオープンになった」

 都政に潜んでいた問題が提起されるようになり、「関心がなかった都政」は、今や重大な関心事に変わった。「都民感覚とズレているのではないか」という不満や疑念が一気に湧き上がり、都政への関心が高まった。

 これまで都政の内部で関わっていた人たちしか持ち得なかった情報を、民主主義の主役である一般市民が得ることになった。その主役たちに「気づき」を与えたことが小池知事への支持が高まった最大の要因であろうと考える。

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2017年01月06日 16時10分 Copyright © The Yomiuri Shimbun