経済

小売店危うし!?アマゾンがもくろむ“消費者革命”

物流コンサルタント 角井亮一
 世界最大のネット通販企業「アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)」が、新戦略を次々と打ち出している。中でも昨年12月には、人工知能(AI)を駆使してレジを介さずに買い物ができるコンビニエンスストア「AmazonGO(アマゾン・ゴー)」を開店することを発表し、世界中の注目を集めた。小売りや流通の世界に変革をもたらしているアマゾンの狙いは何なのか。アマゾンの本拠地・アメリカで取材を重ねる物流コンサルタントの角井亮一氏が読み解く。

自走式ロボットを活用した物流システム

  • 自走式ロボットが商品棚を運ぶ「アマゾン・ロボティクス」
    自走式ロボットが商品棚を運ぶ「アマゾン・ロボティクス」

 米アマゾンの日本法人「アマゾン・ジャパン」は先月、日本国内に10か所ほどある「フルフィルメントセンター(FC)」と呼ばれる物流拠点のうち、川崎市のFCで「アマゾン・ロボティクス」を稼働させたことを明らかにした。私は、昨年9月に発売した拙著「アマゾンと物流大戦争」(NHK出版新書)で「もう日本で稼働している」と指摘していたのだが、アマゾン側がようやくその事実を公表した形だ。

 「アマゾン・ロボティクス」とは、米アイロボット社製の掃除ロボット「ルンバ」のような自走式ロボットを活用した新しい物流システムだ。倉庫の中で、人間が棚まで歩いていって商品を取り出す代わりに、自走式ロボットが商品を載せた棚そのものを人間のいる場所まで運ぶ。棚の中にある商品のうち、注文を受けた商品がどれであるかはレーザー光線によって示され、人間はその商品を取り出して箱詰めする仕組みだ。

 これにより、人員不足の解消や人件費など運営費用の圧縮、そして、配送までの時間短縮などによる顧客サービスの向上が図られることになり、アマゾンの競争力は一段階、レベルアップしたと言える。アマゾンは、他の物流拠点へのロボティクス導入も検討していく方針だ。

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