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正しさは二の次…ネット世界のビジネス構造

ワードリーフ社長 奥村倫弘
 IT大手ディー・エヌ・エー(DeNA)が医療系サイトWELQ(ウェルク)などのまとめサイトを相次いで休止した問題は、DeNAにとどまらず、ジャーナリズムの世界に新たに参入したプレーヤーの問題点を浮き彫りにした。米国ではネット上で拡散した大量の偽ニュースが大統領選の結果にも影響を与えたといわれている。ジャーナリズムが追い求めてきた「真実」が、なぜかくも簡単に置き去りにされるのか。1998年からネットメディアに携わってきた奥村倫弘さんに寄稿してもらった。

変わるメディアの形

  • ネット上には様々なニュースサイトが乱立している
    ネット上には様々なニュースサイトが乱立している

 私たちは、ニュースが正しい情報を伝えてくれる情報源だと信じてきました。ところが、インターネットが社会の隅々まで普及したことで、それが通用しなくなっています。

 個人、企業にかかわらず誰もが情報を発信できるようになり、確かに便利な世の中になりました。しかし、ジャーナリズムの外の世界から新たなプレーヤーが参入したことで、従来のニュースやメディアの概念は形が変わり、輪郭がはっきりしなくなっています。

 今回のDeNAの問題は、DeNAという一企業だけの問題にとどまりません。目を疑うばかりの低品質の情報をたれ流しているメディアは他にもあります。DeNAの問題を受け、リクルートライフスタイルが提供する「ギャザリー」、サイバーエージェントが運営するSpotlightも「チェックが十分でなかった」として、一部の記事を非公開にしました。

 海の向こうの米国では「ローマ法王がトランプ氏を支持」「クリントン氏がイスラム過激派組織に武器を売却」といった偽のニュースがネット上で拡散。背後にはロシア政府の関与も指摘されています。

 人の不安につけ込むコンテンツが人目を引いたDeNAは、地雷を踏んでしまっただけと言えるかもしれません。コンテンツ(記事)の質の低さや著作権の問題など、外部から指摘を受けた点は、いずれもインターネットビジネスの構造に原因があるように思えます。なぜ、このようなことが起きてしまったのでしょうか。

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2017年1月18日15:08 Copyright © The Yomiuri Shimbun