国際

トランプ大統領がセレブから徹底的に嫌われる理由

ライター 水次祥子
 就任直後の支持率45%(ギャラップ社調べ)という低空飛行で始まった米国のトランプ政権。彼は、エンターテインメントやスポーツ界の有名人、いわゆるセレブリティー(セレブ)の間でも不人気だ。数々のビジネスを手がけ、リアリティー番組の司会で人気を博したトランプ氏はもともとセレブの世界にいたはず。それなのに、なぜ反トランプの動きにセレブたちがこぞって参加するのか。ニューヨークを拠点に活動するライターの水次祥子さんに、その背景を解き明かしてもらった。

大女優のキツイ一撃

  • 米国大統領の就任式で、トランプ大統領(右)やペンス副大統領(中央)らが見守る中、米国国歌を歌うジャッキー・エバンコ(手前)=AP
    米国大統領の就任式で、トランプ大統領(右)やペンス副大統領(中央)らが見守る中、米国国歌を歌うジャッキー・エバンコ(手前)=AP

 1月20日に行われたトランプ大統領の就任式。晴れの舞台で米国国歌を披露したのは、16歳の歌手ジャッキー・エバンコだった。彼女の美しい歌声は聴衆を魅了したが、4年前、オバマ前大統領2期目の就任式で国歌を歌ったビヨンセと比べると、知名度の点で見劣りするのは否めない。

 今回の就任式は、歌手のセリーヌ・ディオン、エルトン・ジョンといったビッグネームが次々と出演を断った。大統領の就任式に招かれることは、だれにとっても大きな名誉である。辞退者が続出した今回は、異例の展開だったといえる。

 代わりに盛り上がったのが反トランプの動きである。就任式前後に各地で行われたデモには、多くのセレブも参加した。なぜ、トランプ大統領はセレブに嫌われるのか。話を1月8日に戻してみよう。

 この日、ロサンゼルスでは優れた映画やドラマに対して贈られるゴールデン・グローブ賞の授賞式が行われていた。式典で、映画界での功績をたたえるセシル・B・デミル賞を受賞したベテラン大女優メリル・ストリープのスピーチが波紋を広げた。

  • ゴールデン・グローブ賞の授賞式に出席した女優のメリル・ストリープ(ロイター)
    ゴールデン・グローブ賞の授賞式に出席した女優のメリル・ストリープ(ロイター)

 「昨年、私を憤らせた、あるパフォーマンスがありました。そのことが、私の心から離れません」。彼女は、名前こそ出さなかったものの、トランプ氏が選挙期間中、体の不自由な新聞記者を身振り手振りでまね、からかうようなそぶりを見せたことを強く非難した。もともとハリウッドの俳優、映画関係者には反トランプの人が多いが、名女優の発言だけにインパクトは大きかった。


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2017年1月27日14:59 Copyright © The Yomiuri Shimbun