経済

日本最大の野菜農家!?イオンが農業に精出すワケ

店舗経営コンサルタント 佐藤昌司
 流通最大手・イオンが「農業」に力を入れている。全国に21の直営農場を展開し、生産した農作物を自社店舗で販売。今年1月から有機野菜の出荷も開始した。グループ売上高が8兆円を超える巨大小売企業・イオンがあえて農業に取り組む狙いは何なのか。流通業界の事情に詳しい店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏が分析する。

21の直営農場で青果やコメなど生産

 イオングループで農業を手掛けているのは、農業法人「イオンアグリ創造」(本社・千葉市)。2009年7月、茨城県牛久市に開設した農場でキャベツなどの作付けを始め、現在は全国21か所の直営農場(イオン農場)で、野菜や果物約20種類を生産している。

  • 北海道三笠市のイオン農場でメロンの収穫体験をする観光客ら(2016年7月)
    北海道三笠市のイオン農場でメロンの収穫体験をする観光客ら(2016年7月)

 総作付面積は、東京ドーム約74個分に相当する計約350ヘクタール。青果栽培を手掛ける農業法人としては国内最大級だ。農地選定から生産、出荷に至るまでの全ての作業を、約500人いるイオンの社員が手掛けている。

 15年からは、埼玉県羽生市のイオン農場で初めてコメの生産を開始した。耕作放棄地などを国が借り上げて農業生産法人などに貸し出す「農地バンク」の制度を活用し、小売企業がコメづくりを行う初のケースだ。さらに今年1月には、同県日高市のイオン農場が日本農林規格(JAS)に基づく「有機JAS」の認定を取得。有機栽培したキャベツやダイコンなどの出荷を開始した。

 イオン農場で生産された農作物は全国のイオングループのスーパーなどに納入される。グループの既存物流網を利用でき、流通コストの負担が少なくて済む。卸売市場や物流センターなどを経由せず、店舗に直送することが可能なため、消費者に低価格で鮮度の高い農作物を提供することができるのだ。

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2017年02月28日 09時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun