経済

ミスドにセブンも…ドーナツ市場「不振の輪」

マーケティングコンサルタント 新井 庸志

「ドーナツ=ミスド」の図式崩れる

 コンビニドーナツが出現する前は、「ドーナツ=ミスド」というイメージを持つ人も多かっただろう。商品力でも、ミスドのドーナツがコンビニドーナツに負けているとは思わない。だが、コンビニドーナツの出現によって、存在感が低下したことは否めない。

  • ミスドでは客一人当たりの買い上げ個数が減少
    ミスドでは客一人当たりの買い上げ個数が減少

 それは、コンビニドーナツがミスドよりも良いからではない。私がリサーチをした限りでは、どちらかと言えば、ミスドの味を評価する人の方が多かった。だが、ミスドに対し、コンビニが圧倒的優位に立っていることがある。それは店舗数だ。ミスドの店舗数は現在約1200店舗。これに対し、コンビニは、セブン-イレブンだけで現在約1万9000店舗。ローソンやファミリーマートなど他のコンビニを合わせると約5万4000店舗に上る。すべてのコンビニでドーナツが売られているわけではないにせよ、店舗数にこれほど圧倒的な違いがあるのだ。

 コンビニドーナツが出現する前、消費者は今ほどドーナツが手軽に買える状況ではなかった。子供の頃、家族や知り合いがミスドでおみやげを買ってきてくれて、大喜びした思い出を持つ人も多いだろう。しかし、コンビニドーナツの出現で、ミスドと似たようなドーナツがいつでもどこでも買えるようになった。いくら味でミスドを評価していても、近所にコンビニがあってドーナツを売っていれば、コンビニを選択する消費者が多くなるのは当然だ。

 こうして、消費者の「ドーナツ=ミスド」という図式は崩れていき、ミスドは、ドーナツ市場における地位を次第に低下させていったのだ。

都市部のスイーツ店などに客奪われる

 ダスキンは、ミスドの販売低迷について、持ち帰り需要の減少による面が大きいと分析している。持ち帰り客の減少だけでなく、客1人当たりの買い上げ個数が減少しているという。その理由について、同社は「全国的な世帯人数の減少などによって、家族のためにドーナツをたくさん買って帰る客が少なくなっているため」としている。

 ドーナツ以外のスイーツなどにも消費者が流れている。都市部を中心に、毎日のように新しいスイーツの専門店やオシャレなカフェがオープンしている。ミスドは、若い女性などが甘いものを食べながらおしゃべりに花を咲かせる場所としてよく利用されているが、近年はこうした店の選択肢が増えて、ミスドは顧客を奪われているのだ。

 その一方で、健康志向の高まりによって甘いものを控える消費者が増えていることも、ドーナツ不振の一因になっている。


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2017年03月16日 13時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun