生活

[40代のマネー学]月1万円でも老後資金を蓄える

ファイナンシャルプランナー 伊藤加奈子

貯蓄の王道は長期積み立て

 とかく、老後資金はいくらあればよいのかが話題になる。どこで、誰と、どんな暮らしを送るかによって、その額は異なるのだが、40代の人が20年後の暮らしをイメージしながら貯蓄するのは難しい。しかし、定年が近づいてから、あるいは子どもが成人してから、老後資金を()め始めるのは、確実に遅すぎる。

 老後の暮らしのイメージは徐々に考えていくとして、お金のことは40代の今から準備しておかないと、転職や病気によって、のちのちの選択肢や可能性が少なくなる恐れがある。子どもの教育費が一段落したら、浮いた分を老後資金に回せばよいと考える向きもあるだろうが、それはライフプランと照らしあわせて、どの段階からどのくらいの額を老後資金として貯蓄できるかを見通したうえでのことだ。

 50代になると、体に変調をきたし、思うように働けなくなる可能性もないわけではない。共働きの家庭の場合、どちらかの収入が大きく減少すると、家計だけでなく、貯蓄計画も大きな影響を受けてしまう。

 だからこそ、収支に余裕のある40代から老後資金の準備を始めるべきなのだ。60歳定年なら、退職まで最大20年ある。この時間を漠然と過ごしてはいけない。

 仮に、老後資金の一部として1000万円を貯蓄しようとしたとき、単純計算で20年あれば毎月の積立額は約4万円。これを10年で貯めようとすると、毎月8万円を積み立てなければならない。50代になり、子どもの教育費のめどが立ったあと、毎月8万円を積み立てられるのかを考えてみてほしい。50代になって確実に貯蓄額を増やせるとは限らないし、先送りした分、老後資金の不安はいつまでもぬぐえない。

  • 貯蓄はできる範囲で早いうちに始めるべき
    貯蓄はできる範囲で早いうちに始めるべき

 貯蓄は、その目的がなんであれ、長期にわたって積み立てる以外に王道はない。金利0.01%の定期預金に毎月4万円を積み立てた場合、実際のところ、利息は20年で8000円程度。金利差を気にして金融機関選びに悩むくらいなら、毎月着実に1万円でも貯めたほうが、はるかに効率がいい。

 教育費の積み立てと同時に老後資金の貯蓄をするのは、大変なことではあるが、今できる金額を積み立てていくことが、漠然とした老後不安を解消する手段にもなる。

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