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[40代のマネー学]月1万円でも老後資金を蓄える

ファイナンシャルプランナー 伊藤加奈子

投資の知識を身につける

  • 複数の口座を使い分けて着実に老後資金をためたい(写真は、イメージです)
    複数の口座を使い分けて着実に老後資金をためたい(写真は、イメージです)

 こうして20年も積み立てれば、老後資金の一部としてかなりの金額を蓄えることができる。ここまで来ると、積み立てた資金を運用し、もっと増やしたいと考える人もいるだろう。

 定年退職を機に退職金を運用しようとする人が増えているが、リスクをどれだけ理解しているのかは大いに疑問である。金融機関が薦めるので、まさか投資で損失が出るなんて微塵(みじん)も思わないのだろう。たしかに、投資はこれからの資産形成に欠かせない手段となっているが、初心者がいきなりリスクの高い投資商品に手を出すのはご法度だ。

 筆者がよく相談を受けるのは「どこどこの金融機関が、こういう投資商品を薦めてきたが大丈夫か?」というもの。大丈夫もなにも、本人がその商品のリスクを理解していないことが問題なのに、それを何とも思っていない。投資の鉄則は「知らないもの、理解できないものには手を出さない」。薦められたからいい商品とは限らないのだ。

 商品によっては、大きなリターンが期待できる半面、大きなリスクもある。こうした知識は、思考が柔軟で判断力もある若いうちに身に付けることを勧める。40代の人が、今やっておくべきことの一つである。

 今から積み立て投資を始めようとするなら、まずはリスクの低い投資商品、たとえば日経平均株価に連動するインデックス型の投資信託の積み立てを始めるのがいいだろう。ここで投資と運用の仕組みを知ることが、今の段階では最も大事なことだ。

 仮に、運用利回り1%で毎月4万円を積み立て投資した場合、元本960万円に対して20年で約100万円の利益が期待できる。運用利回り1%というのは、かなりリスクを抑えた運用だ。日経平均株価に採用されている株式銘柄の配当利回りは平均1.6%程度なので、実現不可能な数値ではない。逆に5%、10%の運用利回りを得ようとするなら、それだけリスクも高まるということだ。

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2017年03月16日 16時56分 Copyright © The Yomiuri Shimbun