政治

豊洲移転問題、石原元都知事喚問を前に考えること

明大教授・元都副知事 青山 佾
 豊洲市場移転問題で、石原慎太郎元都知事、浜渦武生元都副知事らの証人喚問が3月18日から20日にかけて、都議会百条委員会で行われる。移転を決めた経緯はどこまで明らかになるのか。元都副知事の青山氏がポイントを解説。移転問題の「今後」についても考える。

百条委員会は始まったが――

  • 昨年11月に開場予定だった豊洲市場(昨年9月撮影)
    昨年11月に開場予定だった豊洲市場(昨年9月撮影)

 3月11日、都議会百条委員会の証人喚問で行われた福永正通元副知事、大矢実元中央卸売市場長、東京ガスの歴代関係幹部に対する質疑では、いくつかの新事実が判明したと言えるかもしれない。

 だが、それらは細かなもので、証言拒否や虚偽証言に対する刑罰を背景にした、いわゆる百条委員会を設置して議会の強力な調査権を発動した効果は、まだ出ていない。

 強いて成果といえば、委員会の場での質疑応答よりも、段ボール数十箱に及んだといわれる資料要求の結果、2001年7月18日に都知事本部と東京ガスが結んだ「基本合意にあたっての確認書」の内容が明らかになったことである。

 この文書には、市場用地の汚染土壌の処理をめぐって、「都の指導に基づき、現在進めている拡散防止を目的とした現処理計画で対策を実施し、土地の譲渡を行う」と記されていた。

 この文書の存在については、のちの都と東京ガスとの交渉で東京ガス側が「二者間合意で、対策は今の計画でよい旨確認している」と主張したと記載する記録が別にあり、かねて注目されていた。この文書が出てきたことで、その東京ガスの主張の根拠が確認されたわけである。これは地方自治法百条という強権を発動したことによる議会の調査権が発揮された好例といえよう。

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