経済

出店攻勢・100円ショップの利益を出すカラクリ

マーケティング戦略コンサルタント 青山烈士

「大量販売」と「徹底したコスト管理」

 100円ショップ各社が出店を拡大しているのは、業績が好調だからこそですが、そもそも100円ショップは、どのようにして利益を出しているのでしょうか。何と言っても大きなポイントになるのは「大量販売」と「徹底したコスト管理」です。利益とは「売り上げと費用の差」に当たります。ですから、大量販売で売り上げを増やす一方、徹底したコスト管理で費用を減らすことで、利益を出しているのです。

 100円ショップは、たくさん売って全体の利益を大きくする、典型的な「薄利多売」のビジネスです。100円の商品の原価は、60~70円台が中心ですので、商品が一つ売れても、30円から40円の儲けにしかなりません。1万個(100万円分)売って、ようやく社員1人の1か月分の給料がまかなえるレベル。だから、利益を確保するには、大量に販売する必要があります。そのため各社は、店舗数を増やすとともに、顧客の来店頻度を高め、より多くの商品を買ってもらおうと、新商品をどんどん投入して、顧客を飽きさせない品ぞろえを実現しているのです。

稼働率低い国内工場の活用も

  • 業界トップのダイソー
    業界トップのダイソー

 小売店の主なコストとしては、一般的に「仕入れ(原価)」「人件費」「広告宣伝費」「家賃」の四つが挙げられます。100円ショップのケースについて、それぞれ見ていきましょう。

 「仕入れ(原価)」については、人件費が安い中国やベトナムなどで作られた商品が中心なので、格安で仕入れることができます。一方、業界2位のセリアのように、日本製の比率を高めている会社もあります。

 日本製のモノを安く仕入れるポイントとして、国内の中小メーカーの製造能力の余力を活用することが挙げられます。メーカーの工場には、光熱費や人件費など、工場が稼働していてもいなくても支払う必要のあるコスト(固定費)があります。ですから、稼働率が低い工場は、なるべく稼働率を高めたいと考えています。日本国内には余力のある(稼働率の低い)工場も少なくないため、そういったところに発注することで、仕入れ価格の低減を図っているのです。

 外国製であろうと日本製であろうと、大量発注をすれば、メーカーによる大幅値引きが可能になり、100円ショップ各社はより安く仕入れることができるというわけです。

 さらに、100円ショップ各社は、コンビニなどとは異なり、「完全買い取り」という特徴的な方法で仕入れています。かりに、店舗で商品が売れ残っても、メーカー側に返品しないということです。メーカー側は、返品されて在庫を抱える心配がなくなりますので、その分、100円ショップ各社への納入価格を引き下げているのです。

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