経済

パソコン市場に「復活」の足音?

BCN総研チーフエグゼクティブアナリスト 道越 一郎

33か月ぶりの「回復」

 BCNの調査でも、国内の主要量販店や通信販売サイトのタブレット端末を含むPCの販売台数は、2014年4月から毎月、前年同月比で減少していたが、今年1月、33か月ぶりに台数と金額がそろって前年同月を上回ったことが判明した。1月の販売台数は、前年同月比で台数が3.5%増、金額が4.8%増と小幅の伸びにとどまっていたが、4月には台数10.8%増、金額10%増といずれも大幅に伸び、回復の足取りもしっかりしてきた。

 16年秋頃から、市場の6割を占めるノートPCの販売で何度か前年同月を上回る月が出てきた。しかし、残り3割を占めるタブレット端末と、1割のデスクトップPCが伸び悩み、PC市場全体の足を引っ張っていた。

 ところが、1月にデスクトップ、4月にタブレット端末がそれぞれ前年同月の実績を上回るまで勢いが戻ってきた。14年春の米マイクロソフト(MS)のOS、Windows XPのサポート終了に伴う”特需”以降、低迷していたPC市場がようやく暗く長いトンネルから抜け出そうとしている。

 元々、市場が落ち込む原因となったのは、12年10月にリリースされたWindows 8だ。当時、米アップルのiPadを中心に急速に普及しつつあったタブレットに対応するため、タッチパネル操作に適応させた仕様にがらりと変えてしまった。これが従来のWindows利用者の不評を買った。特に評判が悪かったのは、Windows 7までソフトを起動する際によく使われていた「スタート」ボタンをなくしたことだった。これにより、新しいOSのリリースに合わせてPCを買い替えるという従来の「消費パターン」が崩壊した。

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