経済

パソコン市場に「復活」の足音?

BCN総研チーフエグゼクティブアナリスト 道越 一郎

買っても活用できないPC

 このように、「薄日」が差し始めているPC市場だが、まだ往時の勢いを取り戻しているとはいえない。むろん、最大の要因はスマートフォンの普及だ。

  • ウェブの閲覧や動画視聴などはスマホで事足りる(写真はイメージです)
    ウェブの閲覧や動画視聴などはスマホで事足りる(写真はイメージです)

 PCは本格的に普及し始めた90年代、「年賀状と家計簿の機械」と揶揄(やゆ)された。買ってはみたものの、使い方がよく分からず、大半の利用者にとって用途が限られてしまっていたからだ。今ではインターネットの利用が広がり、PCの用途はウェブサイトの閲覧からメールの送受信、動画の視聴へと広がったものの、このほかの用途は90年代と大差なく、ごく限られた作業に限られている。そして、今はこれらの作業の多くがスマホだけで事足りるようになった。「ウェブ閲覧やメールのためにPCを買う人はかなり少ない」(業界関係者)という。

 ノートPCでは、1.5キロ・グラム未満の機種が販売台数全体の3割程度まで増えている。かつてはノートPCといっても、実際には動かさずデスクトップPCのように使うものが一般的だったが、今ではビジネスパーソンや学生向けに、持ち運ぶことを前提として作られた機種も多い。

 一方、デスクトップPCは本体とディスプレーが一体となったモデルが現在の主流だ。なかでもディスプレーのサイズが27インチと、PCとしてはかなり画面が大きい機種の比率が15%を超えてきており、画面の大型化が急速に進んでいる。一体型のうち半分以上がテレビのチューナーを搭載する。テレビとPCを「1台」で済ませようとする人が増えている。

 ただ、それらが大きく市場活性化に寄与しているわけではないだろう。


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