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「ボク褒められて伸びるタイプなんです」の叱り方

日本アンガーマネジメント協会代表理事 安藤 俊介
 「声を荒らげると職場の雰囲気が悪くなる」「厳しく叱責されると会社を休む」――。叱られたくないばかりに、「褒めて伸びるタイプ」を主張して予防線を張る若手もいる。これでは、上司が叱咤激励すらためらってしまうのも仕方がない。上手に叱るコツはあるのだろうか。「怒り」の感情をコントロールする啓発活動を行っている日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介氏に解説してもらった。

上司は「叱れない」

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 「叱れない」と困っている人が増えている。

 実際、当会には毎月のように、叱り方を指導してほしいという研修依頼がくる。なぜ、今の上司はこれほどまでに叱ることができなくなってしまったのだろうか。 

 「平成」を迎えたあたりから、学校や職場では、怒声や叱責は排除すべきものとされ、褒めて伸ばすことがもてはやされた。叱る教師や上司は、ともすれば指導能力が足りないというレッテルさえ貼られかねない風潮になった。

 学校や職場ばかりではない。公の場で騒いでいる他人の子どもに、良かれと思って注意でもすれば、その親からきつくにらみつけられかねない。

 こうした環境の中ですくすく育った若者は、当然叱られることに慣れていない。

 「ボク、褒められて伸びるタイプなんです」

 こんなことを平気で言う若手社員もいる。厳しく叱責されることに非常に弱い。だから、何度も注意をしたり、厳しい口調で問いただしたりするとすぐにへこたれてしまう。そして、あっさりと会社を辞めてしまうというケースも見られるようになった。 

 日本では2001年ごろ、「パワーハラスメント(パワハラ)」という言葉が使われるようになり、広く社会に浸透した。「叱ること=パワハラ」と誤解をする人も増えた。そして、ますます会社では、部下を叱ることが難しい状況になった。

パワハラと言われてしまう

 しかし、部下を指導する上で叱ることは必要だ。

 「あのとき先輩に叱られたおかげで、失敗を乗り越えられた」

 「上司にきつく言われ、勘違いしていた自分に気づいた」

 褒められることと同じように、叱られることもまた人を成長させる糧となる。どちらか、一方をやれば良いということではない。だから、叱ることをためらうべきではない。 

 「叱ることで部下から嫌われる」

 「職場の人間関係が悪くなる」

 「パワハラと言われてしまう」

 叱ることが苦手という人の多くは、こうした誤った思い込みをしている。だが、叱ったからと言って、必ずしもそうなるとは限らない。

 叱ることで嫌われてしまう人もいるが、世の中には、叱っても好かれる人がいる。叱っても好かれる人、叱ると嫌われてしまう人……、一体何が違うのだろうか?

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