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就活「勝ち組」への近道? 隠れた優良企業の見つけ方

リクルートキャリア 就職みらい研究所 所長 岡崎 仁美
 「バブル期以来の売り手市場」とも評される今年の大学生の就職活動。大手の人気企業は既にピークから終盤に向かいつつあるが、引く手あまたの中から本当に自分に合う1社を見つけるにはどうしたら良いのか。企業の名前や規模に惑わされず、ベストの選択をするために必要な視点を、就活事情に詳しい岡崎仁美さんが解説する。かつての選択を悔やんでいる「元・就活生」たちにも一読をおススメしたい。

今年は「まっしぐら型」…優良企業がますます“死角”に!?

  • 今年の就活は「まっしぐら型」(写真はイメージ)
    今年の就活は「まっしぐら型」(写真はイメージ)

 来春卒業予定の大学生の就職活動がクライマックスを迎えている。6月1日時点の就職内定率(=内定を取得した経験のある学生の数÷就職希望学生の数)は61.0%。これは前年同月の51.3%を9.7ポイントも上回る高い水準だ。

 大学生の就職活動は、一昨年から「大学3年生の3月1日」が解禁日となっている。この日を境に、新卒者を採用したい企業は一斉に募集要項を開示し、資料請求を受け付ける。また、会社説明会を開くなどして、自社に興味のある学生と接触し、動機付けを目的とした情報提供に(いそ)しむ。多くの企業は説明会を開いた後に、自社への応募書類の提出や筆記試験や適性検査を受けるよう、学生たちに求める。学生は、これらを経て最終関門となる面接に臨み、内々定を獲得する。

 このような一連の活動において、採用情報公開から面接前までを「採用広報活動」、面接以降を「採用選考活動」と呼ぶのが一般的である。そしてこの「採用広報活動」は、概ね半年ほどの期間を使って行われることが長年の慣習となっていたが、経団連の倫理憲章の改定により、2013年卒から4か月間に短縮され、さらに政府主導の就職活動開始時期の繰り下げに伴って2016年卒では一度5か月間に延びたが、2017年卒からはさらに短い3か月に“圧縮”された。ゆえに今年は6月1日以降が「採用選考活動」の時期に当たっている。

 この就職活動期間の圧縮と、求人倍率の高騰、つまり売り手市場化があいまって、学生の就職活動は年々、企業研究にほとんど時間をかけない“まっしぐら型”の様相が色濃くなっている。

 かつては、学生は採用広報活動期間を「行きたい会社・やりたい仕事」を探すことに充てていた。就職活動を始める前の学生に、知っている会社の社名を書き出すというワークに臨んでもらうと、一番多い人でも40社程度。ほとんどの学生は10~20社くらいが関の山だった。しかし、いざ就職活動が始まると、世の中にいかに多くの業界や企業があるのかを思い知る。また、これまでは消費者としてのみだった企業への眼差(まなざ)しを変え、生産者の視点も持とうとし始めるのだ。

 ところが、この期間が圧縮されてからは、学生は「幅広く企業を知る」ことよりも「今知っている会社についてさらに知る」「今知っている会社に入るための努力をする」ことを優先するようになった。まさに「知っている会社に“まっしぐら”」なのである。

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