社会

「見た目」重視、生きづらい社会を変えるには

NPO法人「マイフェイス・マイスタイル」代表 外川浩子

当事者をつなぐ、社会を変える

  • インタビューに答える外川浩子さん
    インタビューに答える外川浩子さん

 ――外川さんが「見た目問題」に関わるようになったきっかけは?

 昔、お付き合いをしていた人が赤ちゃんの時に顔にやけどをした人でした。その人は他人からじろじろ見られたり、通り過ぎた後にこそこそ言われたりといった経験をしていました。他の当事者はどうしているのかなと思っていたところに、そうした人を支援する団体の存在を知り、2001年から活動に参加するようになりました。

 ――06年に独立し、「マイフェイス・マイスタイル」を設立しました。

 最初に参加した団体は症状を限定していませんでしたが、当事者本人たちによるピアサポート(仲間同士の支え合い)を重視していました。事務局スタッフのうち当事者でないのは私だけで、活動するうちに当事者でないという視点をもっと生かしたいという思いが強くなり、独立を決意しました。

 ――「マイフェイス・マイスタイル」が目指すものは何ですか。

 「見た目問題」の当事者は、例えば、円形脱毛症、生まれつきメラニン色素をほとんど作ることができないアルビノ、ほお骨やあご骨がうまく形成されないトリーチャーコリンズ症候群の人たちなど、様々な人がいます。

 それぞれ患者団体があるのですが、症状が違っていても、直面する問題は共通しています。学校に行ったらいじめに遭い、恋愛、就職、結婚などでは、社会との軋轢(あつれき)を感じています。

 普段はばらばらに活動していても、私たちの団体が横のつながりを作ることで、ひとつの大きな動きにつなげたいと思いました。また、社会の人たちにこの問題に気づいてもらい、人々の意識を変えていくことも目指しています。

  • 2014年、墨田区で開いた写真展。MFMSが開くイベントは、だれでも気軽に入ることができる(写真提供:MFMS)
    2014年、墨田区で開いた写真展。MFMSが開くイベントは、だれでも気軽に入ることができる(写真提供:MFMS)

 ――イベントなども積極的にやっていますね。

 最初に手がけたのは、2008年に東京で開いたシンポジウムです。脱毛症やアルビノの方、アザのある人にパネリストとして出てもらったほか、かつらや人工ボディーを作っている企業のブースも設けました。

 私たちのイベントはすべての人に開かれています。患者団体のイベントは外から見えない形で開催するからこそ、当事者が安心して集まることができるという面があります。それはとても意義があることですが、私たちは最初からオープンにして、一般の人もメディアもみんな入れるようにしています。

 初めは「面白半分で来る人がいるのではないか」と心配する声もあったのですが、もしそういうことがあれば、その場で私たちが対応するからと言って、以後ずっと同じ姿勢でやってきました。

 当初、協力してくれる患者団体は二つでしたが、今は私たちの活動の趣旨を多くの団体が理解してくれるようになり、みなさんの方から「何かやる時は協力するよ」と言ってもらえるようになりました。これが大きな変化です。

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2017年7月4日10:21 Copyright © The Yomiuri Shimbun