社会

北朝鮮ミサイルでJアラートが鳴ったらどうするか?

日本大学危機管理学部教授 福田 充

Jアラートのメール受信を登録

 Jアラートを管理・運営しているのは消防庁です。Jアラートによる緊急情報は、防災行政無線の屋外スピーカー、屋内個別受信機のほかに、ほとんどの携帯電話・スマートフォン、国民保護計画で指定されているテレビ放送やラジオ放送で流れます。

 自宅や職場の周辺で、防災行政無線の屋外スピーカーが聞こえる環境にあるかどうかを確認することは重要です。自宅や職場にJアラートの個別受信機がない場合は、自治体が発信するJアラートの携帯メールを受信できるよう事前登録を勧めます。

 Jアラートの警報を聞くことができなければ、万一の場合に必要な行動が遅れてしまう可能性があります。


避難行動は時間との闘い

  • ミサイル発射に対するJアラートの情報伝達(福田教授作成)
    ミサイル発射に対するJアラートの情報伝達(福田教授作成)

 ミサイルに対する避難行動は時間との闘いです。

 北朝鮮からミサイルが発射された場合、日本の領土に着弾するまでの時間は、北朝鮮からの飛行距離やミサイルの種類などにもよりますが、5分~10分程度とみられています。

 例えば、関東地方なら、7分程度でミサイルが着弾すると想定されます。その7分間にどのタイミングでJアラートが情報発信でき、住民に届くかが重要な鍵になります。

 ミサイルが発射されたことを探知したアメリカ軍の軍事衛星や海上自衛隊のイージス艦の情報は、まず日本の防衛省に伝達され、その後、首相官邸の危機管理センターに伝わります。そこから消防庁に情報伝達され、Jアラートのシステムが起動して、該当地域の自治体に伝達され、そこから地域の防災行政無線を通じて住民に伝わります。これがミサイル発射におけるクライシス・コミュニケーションの過程です。

 ミサイルが発射されてから、Jアラートで住民に情報伝達されるまでに、もし5分かかったら、関東の場合、住民が避難するために残された時間は約2分しかありません。情報伝達に、もし8分かかったならば、ミサイルが着弾した後にJアラートの警報が鳴るという最悪の事態も考えられます。たとえ、Jアラートの警報が間に合ったとしても、対応行動に残された時間は長くても2、3分程度だと覚悟しておいたほうがいいでしょう。

 この時間との闘いの中で、私たちはどのような行動をとることができるでしょうか。

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