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世界水泳開幕へ…池江璃花子ら高校生はここが違う

元競泳日本代表 萩原智子

ライバルとの絆がさらに強くする

  • (世界水泳日本代表発表会見に臨んだ長谷川選手(前列左)、池江選手(前列中央)ら)
    (世界水泳日本代表発表会見に臨んだ長谷川選手(前列左)、池江選手(前列中央)ら)

 こうした強化策に加え、同世代の絆も最強世代の活躍を支えている。

 リオ五輪代表選考会では池江が先陣を切り、その勢いをバトンタッチするかのように「私にもできる」という気持ちが伝わって、同世代の選手が最高のエネルギーを発揮した。一時はライバルたちに後れをとった牧野も、「同世代の仲間を見て、いつも私も頑張ろうと思います」と話すように、種目が違っても同世代をライバルとして意識し、切磋琢磨(せっさたくま)した結果、復活を果たした。エースの池江も「同世代の絆はあります。同世代が代表チームに入ってくれると心強いです」と話している。

 水泳は個人競技だが、仲間とのつながりによって助けられ、励まされる面もある。この絆が、最後の最後、極限の緊張感の中で、最大のエネルギーに変わる。私もジュニア時代の仲間の活躍に刺激を受け、「一緒に代表になりたい」「私にもできる」との思いを何度も力に変えてきた。

 今年の世界水泳で日本代表となった高校生4人は、いずれもSS合宿のメンバーでもあり、これまでのジュニア日本代表としてもチームメートとして戦ってきた仲間だ。SS合宿が始まった当初、池江は、「SSは他のクラブの選手と練習できるので、どんな練習をしているかなど勉強になっています」と話していた。今井も「同世代の選手と練習できて楽しいです」とSS合宿の存在に感謝していた。合宿に参加する選手たちの目指すものが「五輪」と明確にされていることが連帯感を生み、切磋琢磨する中で質の高いトレーニングができてきたと言える。今後は、池江、長谷川、牧野、今井に刺激を受け、4人に続く選手の台頭も待ち遠しい。

 今年は、3年後の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、スタートの年。ハンガリーの地で、それぞれの目標を達成できた時、最強世代の自信は確信に変わるだろう。

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プロフィル
萩原 智子(はぎわら・ともこ)
 1980年生まれ。山梨県出身。2000年のシドニー五輪では200メートル背泳ぎで4位入賞。02年の日本選手権では、100、200メートル自由形、200メートル背泳ぎ、200メートル個人メドレーで史上初の4冠を達成した。「ハギトモ」の愛称で親しまれている。日本水泳連盟理事、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会アスリート委員。水でコミュニケーション・エデュケーション(教育)する「水ケーション」活動にも注力し、山梨、福島、愛知の各県で水泳大会「萩原智子杯」を開催している。