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「2番には強打者を置け」は日本野球に根付くか

読売新聞編集委員 三宅宏
 野球の2番打者に、どういう印象を抱くだろうか。送りバント、右打ちの進塁打…。自己犠牲を強いられるというイメージが強いのではないだろうか。確かに高校野球などでは、昔ながらの2番打者像がいまだに健在だが、プロ野球の世界では変わりつつある。「2番打者強打者説」を追った(記録は日本時間の7月24日現在)。

「2番・坂本」、「2番・マギー」の驚き

  • 2番に入った坂本は決勝打を放って、巨人の連敗を13で止めた(2017年6月9日、川口正峰撮影)
    2番に入った坂本は決勝打を放って、巨人の連敗を13で止めた(2017年6月9日、川口正峰撮影)

 信じられないほどの連敗が続いた巨人の高橋監督が、勝負手を放ったのは6月8日の西武戦のことだった。

 今季、ほとんどの試合で3番を打っていた坂本勇人を2番に据えた。

 最もヒットが期待できる坂本に、犠打や進塁打を望むことは考えられない。好打者をなるべく早いうちに打席に立たせ、打線を活性化させようという積極策だった。

 坂本は2安打を放ったものの、投手陣が13点を失って大敗を喫した。すぐに結果は出なかったが、翌9日の日本ハム戦で、やはり2番に入った坂本が決勝打を放つ。巨人の連敗は13で止まった。

 前半戦の最終戦から現在までは、今度はマギーが2番に入っている。4番も打てるスラッガーは新しい打順の7試合で、打率4割4分8厘、3打点、2本塁打と打ちまくっている。

 巨人の2番打者といえば、古くはV9時代の土井や、犠打の世界記録を作った川相が記憶に残る。いずれも小技の名手だ。それだけに2番に強打者を置くことはインパクトがあり、「打っていくぞ」という強いメッセージになる。

 つまり、「非日常」がもたらす効果が期待できるのだが、メジャーに目を転じると、2番に強打者を置くことは、日常的な風景でもあるのだ。

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