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定年後が気になる40代に“エア転職”のススメ

人材コンサルタント 常見陽平
 「定年後」を扱った新書が相変わらず人気だ。新書の主な読者層である40代以上のビジネスパーソンが将来に不安を感じていることの表れではないだろうか。人材コンサルタントの常見陽平さんは、「定年後」に向けて大切なのは、会社での立場が大きく変わる50代をどう生きるかであり、そのためには40代のうちに50代の自分を想像して早めに対策すべきだと説く。その方法として勧めているのが“エア転職”だ。

みんな老後を不安視している

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 『定年後』(楠木新著、中公新書)という新書が売れている。今年4月に発売され、既に20万部を突破している。著者の楠木さんは大手生命保険会社の人事出身だ。この本が売れているということは、新書のメイン読者層と言われる40代、50代の男性たちが真剣に定年後について考えているということだろう。この世代が考える「定年後」とは、年金や貯金を使って遊び、子どもや孫と戯れるという牧歌的な日々ではないはずだ。2年前にも「近い将来、日本の老人の9割が下流化する」と予言した新書『下流老人』(藤田孝典著、朝日新書)がベストセラーとなった。みんな、将来を不安視しているのだ。

“エア転職”で自分を知る

 「定年後」に向けて大切なのは、それ以前の50代をどう生きるかだ。会社員の人生は50代を機に大きく変わる。上司が年下になるというのはよくある話で、給与体系が見直されて下がっていくほか、関連会社への出向や転籍、会社が用意した転職先に移ることも珍しくなくなる。

 こうした50代以降の会社員人生の不安を取り除くために、40代からの対策が欠かせない。必要なのは40代のうちから50代の自分の姿を具体的かつ客観的に想像することで、何事も早めに準備することができるのだ。

 50代の自分の姿を想像するためには、まず40代の自分の姿を見つめ直すことから始める。その方法として、私は“エア転職”を勧めている。エア転職とは本気で考えていなくても、転職活動をしてみることである。転職活動を通じて自分を見つめ直し、客観的な自分の価値を知るための方法だ。条件が合えばそのまま転職をしてもいい。

 40代の会社員で「課長を経験しているから50代も大丈夫」などと出世に自信があり、安心している人ほど取り組んでほしい。なぜなら今まで取り組んできた仕事や、現在のポジションが今後はまったく評価されないケースも出てくるからだ。40代で仕事に自信を持ち、自己の能力を過信した揚げ句、老後をさらに豊かなものにしようと転職したり、独立起業したりして失敗するケースも多く見てきた。こうした失敗は、現在の自分を客観的に見ることができていないためだ。

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