生活

片づかない実家…親を不機嫌にさせない5つの方法

実家片づけアドバイザー 渡部亜矢

【1】健康を気づかう

  • 階段にも使わないものが積み上げられたまま
    階段にも使わないものが積み上げられたまま

×「つまずいて転倒でもしたら、おしまいだから片づけようよ」

×「お母さんが認知症になって困るのは、私なんだから」
 

 帰省した時に親が元気でも、ほっとしてはいけません。親は、孫や子ども、親族に会い、気持ちが高ぶった状態になっています。

 特に母親は張り切って料理をし、子や孫に世話を焼き、あとになって疲れて、ぐったりというケースも聞きます。いくら元気に過ごしていたとしても、普段とは違う顔を見せている可能性もあります。

 片づかない実家の原因として、親の心身の不調は大きく影響します。片づけどころではなく、季節はずれの衣類が出しっぱなしになっていたり、台所に腐った食べ物が置きっぱなしになっていたりすることもあります。

 帰省した子ども世代は、どこを確認すればいいでしょうか?

 【チェックポイント】

 ◇薬が増えていないか

 ◇押し入れや納戸などにモノが押し込まれていないか

 ◇使っていない健康器具や健康食品を買い込んでいないか

 ◇トイレや洗面所が汚れていないか

 ◇床置きになったままのモノが増えていないか

 年齢を重ねるとともに、体調に変化が表れたり、病気を抱えたりすることは、ある意味、仕方のないことです。大事なのは、必要なときに周囲にきちんとSOSを出したり、支援を受けたりできるかどうかです。

 ところが、体調が思わしくなくても、身の回りの家事、ましてや片づけなんか人に頼らないという親世代は多く、「人の手を借りることは恥ずかしい」と思いがちです。そうすると、無理がたたって、目の行き届かないところが出てくるものです。こうしたときには、健康に暮らすことを理由に片づけを提案すると効果的です。
 

「どの薬を毎日飲んでいるの? ちょっとテーブルの上を整理してみようか」

「体重計(血圧計)は、こっちにあったほうが使いやすいよね」

「夜中のトイレでも転ばないように、寝室と廊下をちょっと片づけておこう」
 

 最近は、親の認知症を心配する子ども世代からの相談を受けることも多くなりました。親が認知症になれば、整理整頓がままならず、「実家がゴミ屋敷になる」と心配する気持ちは分かります。しかし、もっと深刻なのは、親が生きがいを失い「自己放任(セルフネグレクト)」となってしまうことです。

 床に置いたままのモノを移動させたり、使っていない家具の位置を変えたりし、「こうすれば孫と遊ぶスペースが広がるよ」「ここで趣味の絵はがきもできるんじゃない」と声をかける手もあります。片づけをするのが目的ではなく、あくまで、親が趣味や生きがいを充実させ、健康に暮らすということを意識してください。

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2017年8月11日11:11 Copyright © The Yomiuri Shimbun