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介護職場に学ぶ「辞めさせない」戦略とは

リクルートキャリア 藤井薫、繁内優志

「就職後3か月」がポイント

  • 「就職後3か月」介護の職場では独り立ちの時期(写真はイメージ)
    「就職後3か月」介護の職場では独り立ちの時期(写真はイメージ)

 リクルートキャリアでは2014年、新入介護職員の仕事に対するモチベーションに関する調査を行った。その結果を見ると、多くの職員が、就職して3か月を経過したタイミングで、仕事へのモチベーションを著しく低下させていることが分かった。

 「就職後3か月」というタイミングは、介護業界では一般的に「独り立ちの時期」と言われている。仕事をある程度覚えて、一人での業務を任されるようになり、先輩職員らの手助けも少なくなる。すると、「自分一人でこの仕事ができるだろうか」「なぜ自分はこんなに苦労をしているのか」といった不安が募るようになり、心身のストレスが一気に高まる。それが、半年後、1年後の離職につながってしまうという。

 こうした事態を招かないために、大切で効果的なのは、若手職員に対して上司が積極的にコミュニケーションを取ることである。具体的には「評価していること」「期待の言葉」をしっかり伝えることである。仕事で独り立ちして悩みや不安を抱えるようになると、「自分は正当に評価されていないのでは」「周囲から見放されているのではないか」などと思いがちになる。だから、古典的な方法に見えても、上司は部下の「どんなところを評価しているか」「何を期待しているか」などを明確に伝える必要がある。仮に若手職員の心が仕事から離れかけていたとしても、再び近づくきっかけになると思う。

 人材定着という課題は、何も介護業界だけに限った話ではない。あらゆる業界に通じる点があるはずだ。介護業界の取り組みから得られる教訓は多いと思う。多くの業界で「業務改革」「人事改革」を進め、働き手が長く生き生きと働ける環境を築き上げる。それが、人口オーナス期を迎えた我が国の雇用側の責務と言えるだろう。

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プロフィル
藤井 薫(ふじい・かおる)
 1988年、慶応大卒。リクルート(現・リクルートホールディングス)入社。「TECH B-ing」編集長、「Tech総研」編集長、「アントレ」編集長・ゼネラルマネジヤーを歴任。2016年4月、「リクナビNEXT」編集長就任。「リクナビNEXTジャーナル」編集長、Tech総研編集長を兼務。

プロフィル
繁内 優志(しげうち・ゆうじ)
 2009年、神戸大卒。リクルートキャリアが運営する、介護業界の就業人口を増やすプロジェクト「HELPMAN JAPAN(ヘルプマンジャパン)」に所属。年間100か所以上の介護事業者を訪問、人材調達及び定着・戦力化に向けたノウハウ提供やセミナー講師を行い、メディアの編集責任者も務める。

2017年8月9日07:50 Copyright © The Yomiuri Shimbun