経済

スタバが「スタバのありそうな街」にある理由

経営コンサルタント 榎本篤史
 全国各地の主要駅やショッピングモールなどで必ずといっていいほど目にする「スターバックスコーヒー」。2015年に“空白県”だった鳥取県に出店したことで、全都道府県への出店を達成した。その一方で、東京23区でスタバのない“空白区”もある。数多くのカフェチェーンが競争を繰り広げる中で、それぞれ、どのような出店戦略があるのか? 飲食店の立地戦略に詳しいコンサルタントの榎本篤史氏が解説する。

あれ?スタバがない!

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 JR、京成電鉄、都交通局(日暮里・舎人(とねり)ライナー)が乗り入れる「日暮里」は、1日平均25万人以上が利用する東京・荒川区の主要駅だ。東口のロータリーへ下りると、やはりあった。おなじみの「ドトール」。すぐそばには、「エクセルシオール カフェ」も軒を連ねる。夏の日中は涼を求めて、ちょっと立ち寄るという客も多いのか、ランチ時間を過ぎてもアイスコーヒーでたばこを一服という客で埋まっている。

 ロータリーから一つ道を挟んだ向かいに目をやると、ビルの2階に「喫茶室ルノアール」の看板が見える。さらに舎人ライナーの駅近くには、「タリーズコーヒー」があった。

 同じように利用客の多い隣の「西日暮里」に移ってみると、こちらも駅の近くに、やはり、ドトールがある。そして、近くのビル2階にルノアールが店を構える。

 荒川区内の主要駅で、有力カフェチェーンがこのように競争を繰り広げる中、あのスタバがないことにお気づきだろうか。スタバは2015年に、未出店だった鳥取県内に初出店したことで話題になったが、実は、東京23区に“スタバ空白区”が一つある。それが荒川区だ。

コーヒーチェーン店の立地

 スターバックス、タリーズ、ドトール、ベローチェ、ルノアール、椿屋珈琲(つばきやコーヒー)店……。数多くの店がしのぎを削るコーヒーチェーンは、その立地戦略のユニークさでも競い合っている。

 ドトールは、駅を降りてすぐ、駅前の目につきやすい場所に出店していることが多い。待ち合わせや時間調整などで、「きっとドトールがあるだろう」と思っている利用者の期待を裏切らない。

 1964年創業のルノアールは、東京を中心に系列店を含めると100店舗を超える。昭和のイメージを残す落ち着いた雰囲気は、スーツ姿のサラリーマンに絶大な支持を得ており、商談や打ち合わせにも利用されている。路面店ではなく、あえて2階や地下という立地も多く、他店とはっきりとした差別化を図っている。

 「あれ、こんなところにカフェが?」と、ちょっと意外な場所にありながら重宝されているのが「カフェ・ベローチェ」だ。ドトールほど一等地というわけではなく、駅前の目抜き通りから一本入ったところにある。そのぶん、店舗はゆったりとしていて、利便性は悪くない割にくつろげる利点がある。

 「シアトル系コーヒー」としてオシャレな雰囲気はスタバと双璧といった印象のタリーズは、喫煙席の有無でスタバと一線を画す。当初は、東京・港区のオフィス街を中心に出店していたが、最近は主要駅前に出店が目立ち、喫煙できる“おじさんの休憩所”になりつつある。

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