経済

鳥貴族「298円」値上げの衝撃!

マーケティング戦略コンサルタント 青山烈士

重く響くアルバイトの人件費

 人件費も重くのしかかります。例えば、東京都が定める最低賃金(時給)は上昇を続けており、2016年10月に設定された932円から、今年の10月には958円に上がることが決まっています。2012年は850円でしたから、この5年で約100円も上昇していることになります。

 実態としては、都内のアルバイトの平均時給は1000円を超えています。人員不足のため仕事が忙しくなりがちな外食業界は、その人員を確保するために、時給を上げざるを得ない「負のスパイラル」に陥っています。

  • 宅配便を値上げするヤマト運輸の配送センター。鳥貴族にも波及?(東京都中央区で)
    宅配便を値上げするヤマト運輸の配送センター。鳥貴族にも波及?(東京都中央区で)

 政府の「働き方改革」の推進もあり、人材難が顕著な業界では、賃金の底上げや人材確保のための「値上げ」の動きが目立っています。特に顕著なのはアマゾンなどネット通販拡大による取扱量の増加に苦しむ物流業界です。

 ヤマト運輸が5月、27年間据え置いていた宅配便料金の値上げを今年10月に行うと発表したところ、佐川急便も7月に「11月に上げる」と追随。9月には、日本郵便も「ゆうパック」の料金を来年3月に改定すると発表しました。

 鳥貴族は今回の値上げについて「中長期的に人件費の上昇が見込まれることから、総合的に判断した」(広報)としています。しかし、消費者は物流業界や外食業界の苦しい事情を認識しているようで、こうした「値上げ」をあからさまに批判する声は上がっていないようです。筆者も、鳥貴族はそういった世相もにらんで値上げに踏み切ったのではないかと推測しています。

 原材料や人件費のコスト負担は厳しく、長年にわたって低価格で提供するノウハウを蓄積してきた鳥貴族でも、原価率の低減や人件費の抑制を企業努力で実現することは、非常に困難だったといえるでしょう。

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