健康

死因3位肺炎を予防する「のどの筋トレ」とは?

耳鼻咽喉科医師 西山耕一郎
 日本人の死亡原因は、悪性新生物(がん)、心疾患(心臓)……次いで多いのが肺炎だ。風邪をこじらせてしまうとかかる病気というイメージもあるが、高齢者の場合、日常生活の中で発症する危険が多くあり、しかも死に直結するリスクが伴う。お年寄りの肺炎を予防する手立てはないのか。西山耳鼻咽喉科医院(横浜市)の西山耕一郎院長に聞いた。(聞き手・メディア局編集部 鈴木幸大)

「ごはんが食べられなくなる」

  • 口から入った飲食物は食道を通って胃(右)に入る。気管(左)に入り込んだ場合は誤嚥と呼ぶ(イラスト・中村知史)
    口から入った飲食物は食道を通って胃(右)に入る。気管(左)に入り込んだ場合は誤嚥と呼ぶ(イラスト・中村知史)

 「水が飲みにくくなってきたんです。水を口にすると、むせるようになり、薬の錠剤も飲めなくなりました。このままでは、ごはんも食べられなくなってしまうかも……」

 以前、受診したある高齢女性は、こんな不安を訴えていました。

 ()き込んだり、(たん)がからまったりするといった症状は、特に高齢者の場合、「飲み込む力」が衰えている可能性が考えられます。

 「飲み込む」という行為は、のどの中で、「気管の入り口を閉じる」「食道を開く」「食道へ送り込む」といった一連の動きが、瞬時に連携して行われることで成立しています。

 このとき、ちょっとしたズレや反応の遅れが生じると、ゴックンと飲み込もうとした飲食物が食道ではなく、誤って気管へ入ってしまいそうになります。危険を察知した体は瞬間的に、むせたり、咳き込んだりして、侵入物から身を守る防衛反応を見せます。

 むせたり、咳き込んだりすることがしょっちゅうあるようなら、飲み込む力が衰えているサインと考えてもいいでしょう。飲食物が誤って気管のほうへ侵入する「誤嚥(ごえん)」を起こす可能性が高まっています。

 誤って気管へ入りそうになった侵入物を、せきなどで出すことができるうちは問題ありません。

 しかし、うまく吐き出せずに、そのまま肺に入り込んでしまったら、細菌が増殖し、「誤嚥性肺炎」を引き起こす危険があるのです。

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2017年9月20日08:29 Copyright © The Yomiuri Shimbun