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素晴らしくて最低、トランプ大統領が生き残る道

上智大学教授 前嶋和弘
 米大統領選でトランプ氏が大方の予想を覆し、衝撃的な勝利を収めてから1年。大統領に就任してから10か月になろうとしているトランプ氏だが、相変わらず問題発言を繰り返し、内政・外交ともに課題が山積したままになっている。あの時、トランプ氏の当選に歓喜した人、絶望した人は、今、どういう思いで政権を見つめているのだろうか。現代米国政治が専門の上智大学の前嶋和弘教授に寄稿してもらった。

  • 中国を訪問したトランプ大統領(9日、北京で)=ロイター
    中国を訪問したトランプ大統領(9日、北京で)=ロイター

 「嘆かわしいすべての人々、そして我々に選挙人獲得数で(304対227)という大勝利を与えてくれた何百万の人におめでとうと言おう!」

 アジア歴訪中のトランプ大統領は、滞在先の中国で9日(現地時間)、1年前の勝利を記念してツイッターでつぶやいた。中国においてもトランプ大統領のツイッター愛は変わらないようだ。いつもの光景が繰り返された。

際立つ「不人気」ぶり

 トランプ氏はこれまでの常識的な見方が全く通用しない大統領と言える。支持率を見ると、驚愕(きょうがく)してしまうような極めて特殊な傾向がある。

 現在の各種世論調査では、トランプ大統領の支持率は全体では4割を切ってしまうほど非常に低い。例えば、ギャラップ社が10月30日から11月5日にかけて行った調査の場合、トランプ氏の支持率は38%で不支持率は過半数を超える58%となっている。20ポイント差で不支持の方が多い。

 トルーマン政権(1945~53年)の途中から始まった同社の支持率調査の中でも、就任1年目の11月の時点としては、トランプ大統領の支持率は最低だ。下から2番目が93年のクリントン氏(49%)、3番目が2009年のオバマ氏(51%)なので、トランプ氏の数字は際立って悪いことがわかる。

 この調査を見ると、「不人気の大統領」であることは間違いないように見える。

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