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“職場の主”に牛耳られる?雇用の2018年問題

人材コンサルタント 平賀充記

「職場の主」の攻略法

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 ベテランのスタッフをうまくハンドリングできなければ、人間関係はギクシャクし、職場の秩序は乱れ、業績に悪影響を及ぼす恐れもあります。

 居心地の悪い職場環境に耐えかねて、スタッフがバタバタと辞めていき、職場は空中分解しかねません。空前の人手不足に(あえ)ぐ日本において、ベテランのスタッフとの円滑な人間関係を築くことは職場マネジメントの要諦といっても過言ではありません。

 若い店長や幹部がその懐に飛び込んで、距離をうまく詰めることができるかどうかが大切です。「遠慮」の壁を越え、少しずつ心を開いてもらうことが、攻略の第一歩となります。

 ある衣料品店でパートとして働く主婦のCさん(50代)は、20代の店長についてこんなことを語ってくれました。

 「いかにも『雇ってやっている』という感じではなく、店長が『力を貸してもらっている』という態度で接してくれるので、仕事にやりがいを感じられる」

「地雷」を無力化

 Cさんに限らず、劣等感を抱きがちな人たちにとっては、「自分が役に立っている」と感じられることが有力なモチベーションとなります。承認欲求を満たすことで周囲への高圧的な態度も軽減されるでしょう。

 さらに、「頼りにされている」「必要とされている」というレベルまで感じてもらえれば、「地雷」は無力化したも同然と言えるでしょう。職場にとって、かけがえのない戦力になってくれる場合もあります。ちなみに、Cさんはこの若い店長の体調を心配して、毎日のようにお弁当を作ってあげているそうです。

 ベテランの女性スタッフを攻略するのに必要なのは、決して小難しいテクニックではなく、何げない普通のコミュニケーション力です。

 ただ、飲食店や販売店などのサービス業における現場責任者となるのは、間もなく30代を迎える「ゆとり・さとり世代」。幼い頃からパソコンや携帯電話に慣れ親しんだデジタル・ネイティブです。電子メールやLINEスタンプのやりとりが当たり前で、リアルコミュニケーションにやや不安のある彼らにとっては、この「普通のコミュニケーション」が一番やっかいなのかもしれません。


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プロフィル
平賀 充記(ひらが・あつのり)
アルバイト・パート専門人材コンサルティング会社ツナグ・ソリューションズ取締役。ツナグ働き方研究所所長(「 ツナケン! 」)。1988年、リクルートフロムエー(現・リクルートジョブズ)入社。「FromA」「タウンワーク」「とらばーゆ」「ガテン」などリクルート主要求人媒体の全国統括編集長などを経て、2014年から現職。著書に「非正規って言うな!」(クロスメディア・マーケティング)、「アルバイトが辞めない職場の作り方」(同、共著)

  • 『アルバイトが辞めない職場の作り方』(クロスメディア・マーケティング)
    『アルバイトが辞めない職場の作り方』(クロスメディア・マーケティング)
2018年1月6日06:01 Copyright © The Yomiuri Shimbun