社会

私道トラブル…知っておきたい対処法

弁護士 山口政貴
 昨年11月、大阪府堺市で私道の通行を巡るトラブルから、男が傷害容疑で逮捕される事案があった。最近では自宅前の私道で子どもを遊ばせたり、バーベキューをしたりする「道路族」と近隣住民のトラブルも起きている。分譲地内の私道でも、権利関係を理解していないと、想定していなかったトラブルに巻き込まれる危険性もあり、その対処法について弁護士の山口政貴さんに解説してもらった。

私道は誰のもの?

  • 写真はイメージです
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 昨年11月、大阪府堺市で70歳代の男が、自宅前の私道を自転車で通行した20歳代の男性を転倒させたなどとして傷害容疑で現行犯逮捕されたことが報道されました。

 原則、私道は所有者のみが利用できる道路で、他人が勝手に通行することはできません。所有者は通行を禁止したり障害物を置いたりすることもでき、通行料を求めることもできます。

 しかし、私道であっても、建築基準法上の「位置指定道路」や「2項道路」と呼ばれる道路(建築基準法42条1項5号、2項)では、「公益の保護」を目的として、所有者の権利が制限されたり、通行を妨げることができなかったりする場合があります。

 なお、建築基準法では、都市計画区域の場合は私有地であっても建築物を造成する際には、原則幅4メートル以上の道路に面していなければならないと定められており、「位置指定道路」とはその道路のことを指します。また、古くからある道路で幅4メートルに満たない道路でも、建築基準法上認められたものを2項道路といいます。「2項」というのは建築基準法42条第2項に規定されているところからその名がつきました。

 さらに、所有者に対して、通行の妨害行為を排除するように求めたり、将来の妨害行為の禁止を求めたりすることも、人格的権利として認められています。

 報道によると、堺市のケースでは、問題となった私道は一般の人の通行を妨げることができない道路に該当していたようです。こうした場合、所有者といえども、通行を妨害すれば、権利の濫用とみなされることになります。

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2018年1月21日05:20 Copyright © The Yomiuri Shimbun