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文化

刀剣乱舞で大人気、よみがえった「幻の宝刀」

読売新聞編集委員、BS日テレ「深層NEWS」キャスター 丸山淳一
 人を殺傷する凶器であると同時に、至高の芸術品でもある――。古代のもののふから現代の刀剣女子まで、日本刀は時代を超えて多くの人々を魅了してきた。今回は、鎌倉時代に作られ、終戦直後に闇と消えた「幻の宝刀」にまつわる悲しくも不思議な物語を紹介する。

目標額の8倍超…復元費用はネットで調達

  • 若き刀匠2人が現代に甦らせた「蛍丸」
    若き刀匠2人が現代に甦らせた「蛍丸」
  • PCブラウザゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」(c)2015-2018 DMM GAMES/Nitroplus
    PCブラウザゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」(c)2015-2018 DMM GAMES/Nitroplus

 「蛍丸(ほたるまる)」という大太刀のことをご存じだろうか。熊本県の阿蘇神社の宝刀として伝わってきたが、終戦直後の混乱で忽然(こつぜん)と姿を消した「幻の宝刀」だ。

 その大太刀が若き刀匠2人によって復元され、2017年6月に阿蘇神社に奉納された。インターネット上で出資を募る「クラウドファンディング」で製作費用を集めたことも話題を呼んだ。わずか5時間で3193人から、目標の550万円の8倍を超える4512万円が集まった。

 偶然にも、2人が資金を募った2015年、蛍丸は同じ年に登場したPCブラウザゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」の人気キャラクターだった。最近は「刀剣女子」と呼ばれる若い刀剣ファンも急増している。

 2016年4月の熊本地震で阿蘇神社は楼門が倒壊するなど大きな被害を受けたが、復元プロジェクトは震災からの復興祈願という目標を加えて続行された。刀身が奉納された後も、柄や(さや)など装飾品の製作作業が続く予定だ。

 この刀は山城の名工だった来国俊(らいくにとし)の1297年(永仁5年)の作とされ、熊本県の阿蘇地方を支配し、阿蘇の神々を(まつ)る阿蘇神社の大宮司(神職の長)でもあった阿蘇氏の惣領が受け継いできた。

 蛍丸という名前は、1336年(延元元年)の多々良浜(たたらはま)の合戦での悲劇の伝承に由来する。

 建武の新政から離反した足利尊氏(1305~58)は後醍醐天皇(1288~1339)と対立し、一度は敗れて九州に逃れた。阿蘇大宮司の惟直(これなお)は菊池武敏ら九州有力武士の宮方連合軍に加わって博多に攻め上り、多々良浜(福岡市東区)で尊氏軍と衝突した。

2018年2月13日11:45 Copyright © The Yomiuri Shimbun